衝立 鶴沈金 1,870,000円
幅109.5×高さ107.5×奥行27cm
鶴は、古来より「千年の時を生きる」とたとえられるおめでたい鳥。
その姿は美しく、古来より好んで描かれた吉祥模様です。
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、
のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
手で表面を触ってみてください。
細い溝になって、彫り込まれていることがわかります。
反対に蒔絵は、筆で漆絵を描き、金を蒔きますので、表面は盛り上がっています。
この衝立には、沈金の様々な技が凝らされています。
鶴の羽は、ふっくらと美しく、また1枚1枚丁寧に彫りこんでいます。
水紋は、涼やかに流れるような表現となっています。
これらはすべて手作業で、のみで彫りこむのですから、
失敗は許されない、一発勝負の職人技です。
衝立は、玄関や広い空間の間仕切りなどに使われる家具です。
玄関に置かれるのは、玄関を開けた時に、
家の中が丸見えになってしまわないように、という奥ゆかしさからとか、
家の中に邪気が入るのを防ぐ・止める役目をする、と言われます。
沈金は、線が交差しているところが大変難しいのです。
ノミで彫っているのですから、塗が美しく堅牢である証。
沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、
しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、
輪島ならではの技法です。
輪島塗の漆黒に、沈金の金が映える、まさに輪島塗りらしい輪島塗りの、衝立です。
この衝立・鶴沈金につきまして、ご不明な点がございましたら
どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。
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若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役