日本伝統工芸展が金沢21世紀美術館にて開催中、素晴らしかったです。
日本伝統工芸展は、日本の優れた伝統工芸の保存と発展を目的に、日本工芸会が毎年開催する全国規模の公募展です。全国の会員および、一般作家の2217点の中から厳しい鑑審査を経て選ばれた入選作の数々。素晴らしいものがあり、大変勉強になりました。
陶芸、漆芸、染織、金工、木工芸、人形、諸工芸の7部門について、今年度の入賞作品及び地元作家の入選作品約350点が展示されていて、その中に、輪島漆器大雅堂でも人気の若手作家・鬼平慶司さんの作品がありました。
鬼平慶司さんの作品・菜ノ花螺鈿蒔絵飾箱「君を連れてゆく」は、ふっくらと丸みを帯びた飾箱に、白い蝶が舞う菜の花畑を、螺鈿の技法をふんだんに用いて描き出した、温かみのある美しい飾箱です。
そのタイトル「君を連れてゆく」というところにも、優しさが感じられます。
菜の花の黄色は一色ではなく、少しづつ変わった黄色が表現され、技を感じます。
飾箱の可憐な菜の花畑に舞う「2羽の白い蝶」は、大変幸せそうに見えました。
輪島の若手蒔絵作家・鬼平慶司さんの、益々のご活躍を期待しています!
日本伝統工芸展は、金沢21世紀美術館にて11月11日(日)まで。
そのあとは、 岡山県立美術館 11月15日~12月2日島根県立美術館
12月5日~12月24日香川県文化会館
平成20年 1月2日~1月20日広島県立美術館
平成20年 1月23日~2月11日福岡天神岩田屋
平成20年 2月13日~2月18日三越松山店
平成20年 2月23日~3月2日 にて、
それぞれ開催されます。 ぜひ、ご覧下さい。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役