卓上膳 梅型は、乾漆仕上げで傷が付きにくく目立ちにくい使いやすい卓上膳
「乾漆(かんしつ)とは」
漆を乾かして粉にし、満遍なく蒔いて漆をかけ、研ぎ出す技法のことです。
塗面は、少しざらざらした感じに仕上がり、
輪島塗の鏡面のような呂色仕上げとはひと味違った、
落ち着いた漆の風合いを感じさせます。
キズが付きにくく、目立ちにくい乾漆は、大変使いやすいものです。
卓上膳 梅型は、梅の花の形を模した、大雅堂オリジナルの卓上膳です。
梅の花の形は、大変かわいらしくふんわりと優しい印象で、華やかで、
機能的には、花弁の部分にも食器を乗せられるので、広く使うことが出来ます。
工程的には、正方形や半月型の半月膳に比べ、手間がかかります。
実は、梅型の卓上膳は、木地からとても手が込んでいます。
花の曲線に合わせた縁を付けるているところは、下地や塗の工程でも
手数が余計にかかります。早い話、難しいのです。
ですから一層、丁寧に慎重に作業が行われます。
仕上がりは、大変華やかな印象で、食卓に華やぎを加えます。
ちょっとした飾り物の台としても、また、花生けの花台としてもお使い頂きたい、
存在感のある卓上膳です。
梅は、早春の花で生命の息吹を感じさせます。
古くから、知恵と悟りの花・神の叡智を呼ぶ花とされてきました。
この植物が雨風や寒さに耐え抜く生命力の強さを持っているからです。
取り扱いは簡単です。
短冊箱 梅蒔絵のお手入れは、柔らかい布で拭いてください。
水洗い・水拭きも、もちろん大丈夫です。
輪島塗が一番苦手なのは、紫外線です。
紫外線にあたり続けると、漆は変質し、劣化します。
直射日光のあたる場所には長くおかないでくださいね。
長い間仕舞われる場合は、乾燥が苦手ですので、
部屋の乾燥しにくい、低い場所に、保管してください。
しかし、どんなに気をつけていても、
長い年月ご愛用いただくうち、使い傷はどうしてもついてしまいます。
使いなじんできただけに、修理して使い続けたいものです。
そんな時は、お気軽に修理のご相談を。
傷に応じて、御見積のうえ修理致します。
本堅地の輪島塗は、丈夫な下地に塗り重ねた輪島塗だからこそ、
痛みの度合いに応じて、工程をさかのぼって修理ができます。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、
堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
卓上膳 梅型・黒乾漆 5枚1組 W41.5 H45 厚3.5cm 726,000円(税込)
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役