半月膳 芽柳に椿蒔絵は、持ち運びも楽でおもてなしの心も伝わる会席膳
半月膳は、卓上膳の一つで、その形から半月膳と呼んでいます。
手前が直線になっていることから、手前に引きつけて使用でき、
大変使い勝手のよい形です。
半月は、これから満月になる・満ちていく、という吉祥の形。
座卓やテーブルに優しい輪島塗の半月膳は、
持ち運びや配膳も楽で、おもてなしの心も伝わる、
美しく機能的な御膳です。
御正月などに見られる、若芽の出た柳の枝を、輪にして、床の間に、
枝が畳までつくようにおろして飾る芽柳の床飾りは、
魔除けの意味や、めでたいことが沢山長くつづくように、
との祈りを込めた吉祥の飾りです。
また、古く大陸では、官吏が遠方へ赴任するとき、
同僚たちは柳の枝を贈り、見送ったことから、
柳は友情のシンボルともいわれます。
椿(つばき)
椿の花は、花が終わるとはらはら散るのではなく、
花のままぽろりと落ちることから、敬遠されることも多いが、
じつは、椿の木は、神の宿り木として、知る人ぞ知る霊木である。
お話しに登場する不老長寿の「仙人」の持つ杖(つえ)は、椿で出来ているそうであり、
春を告げる聖なる花ともいわれる。
蒔絵の難しいところは、自然のものを自然のままにうつすのではなく、
図案化・デザイン化していかに美しく表現できるか、というところです。
蒔絵の中で、意外と難しいのは、
ぐるっと回る曲線です。
蒔絵は、筆に漆をつけて、絵を描いて、金を蒔きます。
ぐるっと回る曲線は、どこかで継ぐにしろ、ひと筆で描くにしろ、
太さや強さを均一に滑らかに表現したいので、
気を抜けない、非常に難しいものです。
この半月膳 芽柳に椿蒔絵は、桜井一良の蒔絵。
斬新な構図と鮮やかな色合いは、一良ならでは。
大胆な色遣いと、豪快な構図は、酒井包一の琳派(りんぱ)の画風を
蒔絵で表現する、唯一の蒔絵作家です。
取り扱いは簡単です。
短冊箱 梅蒔絵のお手入れは、柔らかい布で拭いてください。
水洗い・水拭きも、もちろん大丈夫です。
輪島塗が一番苦手なのは、紫外線です。
紫外線にあたり続けると、漆は変質し、劣化します。
直射日光のあたる場所には長くおかないでくださいね。
長い間仕舞われる場合は、乾燥が苦手ですので、
部屋の乾燥しにくい、低い場所に、保管してください。
しかし、どんなに気をつけていても、
長い年月ご愛用いただくうち、使い傷はどうしてもついてしまいます。
使いなじんできただけに、修理して使い続けたいものです。
そんな時は、お気軽に修理のご相談を。
傷に応じて、御見積のうえ修理致します。
本堅地の輪島塗は、丈夫な下地に塗り重ねた輪島塗だからこそ、
痛みの度合いに応じて、工程をさかのぼって修理ができます。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、
堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
半月膳 芽柳に椿蒔絵 5枚1組 縦34 横38 厚2cm 748,000円(税込)
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役