棗(なつめ)朱塗り・菊蒔絵は、鮮やかな朱色に大輪の菊が咲く棗
棗(なつめ)は、茶道に使われる茶入れです。
季節や催しに合わせて、さまざまな意匠の棗(なつめ)が使われ、
心を和ませてくれます。
何かと慌ただしい生活の中で、
お好きな棗(なつめ)で、心安らぐ至福のひと時、
そんなゆったりした時間は、心の栄養剤です。
外国のお客様には、この棗(なつめ)を、部屋の飾りや
小物入れ・アクセサリーケースとして
お使いになられる方がいらっしゃるとか。
そんな自由な発想でお楽しみいただくのも
また、良し。
あらゆる花の中で最も精気のあるものとして、延年長寿の薬とされた「菊」。
菊は重陽の節句(9月9日)が有名で、
重陽の節句に、菊の花を浸した酒を飲むと、長い気ができるといわれ、
前の晩に菊にかぶせて、露で湿らせた綿で
体をふくと長寿を保ち、顔をふくと美人になる、といわれます。
また、菊慈童の話は、菊の下露がおちて谷川になっているところで
水を汲んで飲むと、甘露のように甘く、心がさわやかになり
やがて、不老不死の仙人になった、とか。
漆の朱
漆の朱は、古来より太陽を表すとされ、儀式・祭礼に用いられました。
朱は非常に貴重だったために、特別な時にのみ使われました。
現在では、技術が進み、そう差はありませんが、
それでも調合や気温・湿度の違いで
色に違いの出る朱の漆の扱いは、気を使うところであります。
取扱いは簡単です。
棗(なつめ)のお手入れは、柔らかい布で拭いてください。
水洗い・水拭きも、もちろん大丈夫です。
輪島塗が一番苦手なのは、紫外線です。
紫外線にあたり続けると、漆は変質し、劣化します。
直射日光のあたる場所には長くおかないでくださいね。
長い間仕舞われる場合は、乾燥が苦手ですので、
部屋の乾燥しにくい、低い場所に、保管してください。
大切にお使いいただいている棗(なつめ)でも、
長い年月ご愛用いただくうち、使い傷はどうしてもついてしまいます。
使いなじんできただけに、修理して使い続けたいものです。
そんな時は、お気軽に修理のご相談を。
傷に応じて、御見積のうえ修理致します。
棗(なつめ)が、塗り直してしまうほどになった場合は、
その際に思い切ってリフォームという方法もあります。
棗(なつめ)の、模様を変えたり、色を変えたり、いかようにもできます。
また新たな気持ちで、お使いいただけます。
お気軽にご相談くださいませ。
平棗(なつめ) 朱塗り・菊蒔絵 2寸8分 157,500円
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役