三段重箱(6寸×6.5寸)溜呂色 297,000円(税込)
この、6寸×6.5寸の重箱は、輪島漆器大雅堂のオリジナル重箱です。
お正月にも、それ以外の季節にもお使い頂きたいと願って、作りました。
真四角でなく、少し横長にした形は、おせちだけでなく、
パーティー料理や、洋食・中華にもケーキやお菓子にも似合います。
溜塗(ためぬり)は、落ち着いた色合いでありながら、漆が薄くのる端々は朱が透けて美しく、無地でも人気の塗りです。
また溜塗は、黒や朱塗りより、1回多く手間がかかります。
はじめに朱漆を塗り、次に朱合漆(しゅあいうるし)という
べっこう色の漆を塗っているからです。
※溜塗(ためぬり)とは
溜塗りとは、中塗りに朱漆を塗り、上塗りに朱合い漆という半透明の漆をぬる技法。
漆は時間が経つにつれて透明度が増してくる、という特性を生かし、
中塗りの朱が、漆が薄くのる縁(端、角など)のほうから透けて、
落ち着いた中にも華やかさのある雰囲気をかもします。
経年の変化を、逆に楽しみにしていただきたいものです。
また、重箱の縁にも工夫を凝らしました。
漆は平面ばかりでなく、曲面部分があると、光の反射が違って美しいものです。この三段重箱は、重箱の上縁に曲面をつくり、表情豊かな重箱に致しました。
この、ひと手間かかるこまやかな細工がとても美しいのです。
三段重箱としてしか使えないよりも、一段づつでもお好きな時にお使い頂きたい、ので、蓋や重箱の足の空間を効果的に設計し、一段でもすっきり美しい重箱に致しました。
重箱の一段をはずして使ってる、という雰囲気はしませんね。
重箱の縦と横の長さの違いは、0.5寸(約1.5cm)です。
ほんの少しですが、ちょっと変わっていて素敵です。
重箱は数段重ねて一つの模様をつけることが多いので、美しいけれど持ちにくい ことがありました。
この重箱は、ちょうど足をつけたような感じで、一段づつに空間を作っています。
そのために、一段づつが大変持ちやすく、一段だけで使っても格好のいい形に作っています。
輪島塗の無地の重箱は、漆本来の美しさが引き立ち、和でも洋の空間でも存在感を発揮するでしょう。
おせち料理もパーティーのサンドイッチも、重ねても一段でも、毎日使っていただける重箱を目指しました。
輪島塗の、まるで鏡のような美しい光沢は、呂色しあげという艶上げの工程で生まれます。
写真の重箱は上塗りが終わった状態で、この後、艶を上げる工程を施して、お届け致します。
艶を上げる工程は、上塗りのあと、炭で研いで表面を平らにし、細かい粒子の磨き粉で表面を美しく整え、うすく漆を塗って硬化させ、職人が手で磨いて艶を出す技法です。炭で研いだ「傷」に漆が入り、塗面がより均一になり、美しく輝くのです。
美しいだけでなく、機能的でもあります。手で持った時に手跡がつきますが、呂色仕上げを施してあれば、柔らかい布でさっと拭けばきれいになりますから、使いやすいです。
重箱の内側は、黒塗です。
三段重箱(6寸×6.5寸)溜呂色 297,000円(税込)
寸法:幅19.8cm 奥行18.3cm 高さ19.3cm
一段の高さ:上から5.7cm 6.3cm 7cm(順番は変えてもOKです)
在庫状況や、納期など、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役