輪島塗 座卓 桜吹雪蒔絵は、溜塗りに色とりどりの桜が舞う
はかなげで可憐な、ピンク色の花・桜は、誰もが好きな、日本の代表的な花です。
春の桜は、長い冬を終え命が芽吹くすがすがしい春のイメージそのものです。
しかし一転、夜桜は、艶やかで妖艶な感じでさえあります。
花といえば桜、を意味するほどに日本の春の代表的な花である桜。
古来より大変好まれてきた桜文様は、蒔絵だけでなく、織物や陶芸、文学や美術などに、広く取り入れられ、描かれてきました。
人々の心を捉えて離さない「桜」を、研ぎ出し蒔絵で表現した座卓は、落ち着いた中にも、桜の華やかさが感じられる美しい座卓です。
研ぎ出し蒔絵とは、蒔絵をした上に漆をぬって炭で研いで平らにし、蒔絵を研ぎだしたもの。
指で撫でてみてください。銀色の桜の花の描いてある部分は研ぎ出し蒔絵なので、表面は段差がありません。
他の色の桜の花は、研ぎ出しの上から蒔絵でさらに描いています。
この部分は、盛り上がっています。
溜塗(ためぬり)は、黒や朱塗りより、1回多く手間がかかります。
はじめに朱漆を塗り、次に朱合漆(しゅあいうるし)というべっこう色の漆を塗っているからです。
その雰囲気は、戦前の天皇陛下の御車が溜塗であったように、高貴で落ち着いていて華麗です。
溜(溜塗り)とは
中塗りに朱漆を塗り、上塗りに朱合い漆という半透明の漆をぬる技法。
漆は時間が経つにつれて透明度が増してくる、という特性を生かし、中塗りの朱が漆が薄くのるふちのほうから透けて、落ち着いた中にも華やかさのある、雰囲気をかもします。
経年の変化を、逆に楽しみにしていただきたいものです。
輪島塗の座卓の「足」について
大雅堂の座卓の足は、納品時に「足の取り付けをいかがいたしますか?」と伺います。
これは、足の付け方が2種類あるからです。
ひとつは、漆でしっかり固着させて、足が抜けないようにくっつけて納品する方法です。
漆付けすると、ちょっとやそっとでは取れないようになります。
もう一つは、グラグラしないように布をはさんで、仮止め状態で取り付ける方法です。
こうしておけば、部屋を広く使うことがあったときに、座卓の足を外して、かさばらず収納できます。
ご希望に合わせて、お選びいただいております。
輪島の家具の自慢は、見えない部分も輪島塗であることです。
裏側も、天板の裏側も、足の裏も、すべて輪島塗。
ですから、どこから見ても輪島塗。
畳や絨毯にも、指にも食器にもやさしいのです。
輪島の家具は、全工程完全手作り家具です。職人の技が随所にきらりと光ります。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
輪島塗 座卓 溜・桜吹雪蒔絵 W150 D90 H33 cm 1,430,000円
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役