硯箱・三祝の図蒔絵は、そこにあるだけで楽しめる美しくコンパクトな硯箱
蒔絵(まきえ)の技法は、様々多くの種類があり、それぞれが特有の美しさを持ちます。
輪島塗といえば、豪華な金蒔絵を想像される方が、多いのではないでしょうか?
この硯箱・三祝の図蒔絵は、蒔絵の技法の中でも大変上品な技法を
多く用いた、落ち着いた印象の硯箱です。
見た感じは、「どこが蒔絵?」と思われるかもしれません。
そこが、この硯箱の一番面白いところ、です。
この硯箱は、蒔絵で 「古墨(こぼく)」 という技法を駆使しています。
古墨(こぼく)とは
習字に使う墨(すみ)は、古来より、色々な文様がかたどられていました。
沢山の書物が残され、伝えられています。
その古くから伝えられてきた、美しい文様がかたどられた墨を模して、蒔絵で墨そっくりに描く技法を、古墨(こぼく)蒔絵と呼んでいます。
古墨蒔絵は、先の蒔絵師達もそのおもしろさに惹かれ、数々の名品を残しています。
見てください、細かなひび割れや、質感・立体感は、本物の墨のよう。
これが蒔絵で、筆で、描かれているのですから、素晴らしい技です。
この硯箱・三祝の図(さんしゅくのず)は、机上に必要なものを、硯箱の中に収納し、美しくまとめたものです。
内容は、筆、細筆が1本づつ、これは、ふたを軸の後にさせば、持ちやすい長さになります。
目打ち1本、紙切り1本、硯(硯)1個、水滴1個が、セットされています。
小さな道具は、写真ではわかりづらいかも知れませんが、一緒に写っている単3の乾電池と比べてみてください。小ささがわかります。
水滴は、乾電池の高さの、約半分の大きさです。
三祝の図蒔絵の「三祝(さんしゅく)」とは、水仙・牡丹・南天の事をさしています。
水仙は長寿を、牡丹は富貴を、南天は子孫繁栄をそれぞれ象徴し表しています。
南天はまた、「難(なん)を転ずる」に通じる、吉祥文様です。
「なぜ三(さん)なのか?」
一(いち)は、陽数のはじめの数、二(に)は、陰数のはじめの数で、三(さん)は、陰陽はじめての数が、はじめて合わさった数として、尊ばれている数字です。
陰陽合わせ持つことは、世のことわりの全てを表現している、とも言われています。
この硯箱 三祝の図蒔絵は、蓋には古墨を貼り付けたように、水仙と牡丹を描いていますが、では、南天は?
よく見て頂きますと、蓋・底のすみぐるりに、細かく黒漆で南天を描いております。
また、蓋を開けていただきますと、内側は明るい白銀色になっていて、赤い実をつけた南天が、沢山描いてあります。
硯箱の内側は、かけご(仕切用の中板)も含めて、明るい白銀色に南天蒔絵を施していますが、
実は、かけごの裏側は、また違った趣向を凝らしております。
かけごの裏側は、硯箱を使用する際には全く見えないところです。
しかし、硯箱の手入れの際には見ることができるお楽しみとして、薄く銀を蒔いた銀色に、色違いの南天蒔絵を施しています。
こういうところが、こだわりの演出、です。
そして、筆や紙切・目打ちにも、黒漆で南天を描いています。
大変上品な中に、遊び心の感じられる、美しいお道具になりました。
この硯箱・三祝の図蒔絵は、完成まで約1年半を要しました。
小さな硯箱に合う小さな道具は、特注製作です。
なかでも水滴は、銀であつらえました。
これは、伊勢神宮の遷宮の際に、金具を製作される方に作っていただきました。
また、硯も、硯箱の大きさに合わせて、特別に作っていただいたものです。
昨今は、「自分史」をお書きになる方が増えているそうです。
そんなとき、輪島塗の極上のお道具で書かれてはいかがでしょうか?
人生の集大成を飾る、大仕事です。
この硯箱・三祝の図蒔絵は、ただそこに置いてあるだけでも、大変美しく絵になるお道具です。
機能性はもちろん、心の豊かさをお求めになる方、また、その辺によくあるものでは物足りないとお感じの方に、おすすめの硯箱です。
輪島塗ですから、キズやケガの際には、修理ができます。
水にももちろん強いです。
こんな、ちょっと変わった、一工夫した輪島塗を考えて考えて作るのが社長の楽しみです。
社長をう~んとうならせる、無理難題の輪島塗の特注がきたら、社長は、待ってましたとばかりに小鼻をふくらませ喜びます。
漆器はいいですね。環境にも人にも優しい、そしてあたたかい。漆(うるし)をもっと身近に感じて欲しい。輪島漆器大雅堂(株)の願いです。
輪島塗硯箱三祝の図蒔絵 桐箱入り 1,925,000円(税込)
寸法
硯箱 W530 D160 H38 mm
硯 W50 D72 H14 mm
筆 長さ125 mm
目打ち 長さ135 mm
紙切 長さ122 mm
素材 天然木 布着本堅地輪島塗
輪島漆器大雅堂は、貴方だけの特注輪島塗の製作も得意です。
今までに見たこともないような輪島塗でも、創業大正11年の経験と豊富な知識・
優れた多数の職人たちが、貴方の思いを形にするお手伝いを致します。
輪島塗の工程は、どれをとっても一つ一つ手作りのオーダーメードと同じです。
ですから特注だから、お誂えだから、ぐんと価格が高くなるということはありません。
また、色や模様だけでなく、器物の形からお誂え可能です。
オーダーは難しくありません。
「こんな感じで、、、。」というような、頭の中のイメージからでも、段々と形にしていきます。
特注・お誂えは、お気軽にご相談くださいませ。
世界で一つの輪島塗を、貴方の思いのままに製作いたします。
輪島漆器大雅堂は、そんな楽しみな仕事が大好きです。
ご用命のほどを、心よりお待ち申し上げております。
輪島漆器大雅堂の営業マン
輪島漆器大雅堂の営業マンは、みな20年以上のベテラン営業マンです。
輪島塗のありとあらゆる知識を持ち、お客様のどんなご相談にも対応できる頼もしい存在です。
全国津々浦々を飛び回る大雅堂営業マンには、それぞれに気持ちの入った「いち押し商品」がございます。
この「いち押し商品」は、季節により地域により、気分により変わります。
なぜ、いち押しなのか?プロに聞かないとわからない、秘密もあるかもしれません。
そんな大雅堂営業マンの、それぞれの「いち押し商品」を、随時ご紹介致してまいります。
どうぞお楽しみに。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役