輪島塗・矢立 菊尽くし蒔絵 110万円(税込)
矢立て(やたて) 菊づくし蒔絵
その昔、武士が戦場で矢を立てて運んだ道具に帷子(かたびら)がある。
その帷子の中に入れて持ち歩いた硯を「矢立て(やたて)の硯」と言ったところから、携帯用の硯・筆をセットにし便利に改良された物を「矢立て(やたて)」と言うようになりました。
この、矢立て(やたて)を見た方に「この矢立ては、どうやって作ったのだろう」と、思って頂けたらおもしろいな、と、思います。
まず、形状から考えはじめ、一番苦心したのは、矢立てのふたがしっっかり開いてスムーズに筆を取り出すことが出来るようにするところです。
矢立てのふたを本体に止める部分を、試行錯誤の末に、開ける時はしっかり開き、閉じたときは不意に開かないようにいたしました。
矢立ての中にセットした筆は、象牙で特注致しました。輪島塗の蒔絵に負けないように。
矢立ては、商売繁盛や、字がうまくなりますようにとの願いを込めての飾り物に、また、女性のために紅筆ケースとして、お使い頂きたい逸品です。
満開の桜を愛でながら、この矢立手を片手に、さらさらとうたを詠んで頂けたら、素晴らしいだろうな~と思います。
こんな、ちょっと変わった、一工夫した輪島塗を考えて考えて作るのが社長の楽しみです。
社長をう~んとうならせる、無理難題の輪島塗の特注がきたら、社長は、待ってましたとばかりに小鼻をふくらませ喜びます。
漆器はいいですね。環境にも人にも優しい、そしてあたたかい。
漆(うるし)をもっと身近に感じて欲しい。輪島漆器大雅堂(株)の願いです。
輪島塗・矢立 菊尽くし蒔絵 110万円
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役