長角二段重・たまり朱 281,600円(税込)
重箱(長角型) たまり朱
この重箱は、一段で使うときにも美しい形を探し求めてたどり着いた、変わり重箱です。
この頃は重箱も、お正月一度きりだけ使うより、ちょっとしたお祝いやパーティー、もっと言えば、普段の食事やお弁当用にも、何にでも使えるものを、という選び方があり、ご要望にお応えして開発いたしました。
その方が、お客様も重箱も塗師屋もうれしいですから。
たまり朱とは、上塗りをした職人さんの、「手」のわかる、おもしろい塗り方です。
「手」とは、塗り進め方がわかる、ということ。塗る作業で、刷毛が動いた軌跡(あと)が見える。
つまり、輪島塗では珍しい、「刷毛目(はけめ)」が残っている、ということです。
普通、刷毛目(はけめ)というと、でこぼこの跡が残るものですが、この塗は表面にでこぼこがないのに、刷毛の跡が残っているのです。
「これはどうなっているのだろう」「ここはこうやって塗ってのかな」と、思ったり考えたりしながらお使い頂くのも楽しいことと思います。
この重箱の形の特徴は、蓋をとったときの表情が豊かに見えるよう、重箱の縁に段をつけています。
また、重箱は数段重ねて一つの模様をつけることが多いので、美しいけれど持ちにくい ことがありました。
この重箱は、ちょうど足をつけたような感じで、一段づつに空間を作っています。
そのために、一段づつが大変持ちやすく、一段だけで使っても格好のいい形に作っています。
輪島塗の無地の重箱は、漆本来の美しさが引き立ち、和でも洋の空間でも存在感を発揮するでしょう。
おせち料理もパーティーのサンドイッチも、重ねても一段でも、毎日使っていただける重箱を目指しました。
新作 しろがねシリーズの重箱は、こちら
この重箱と同じ形を、銀色と黒できりりとしたモダンな印象にしあげた重箱です。
銀色に見える部分は、石目仕上げ。傷がつきにくく目立ちにくい技法です。
ある研究者によると、同じ物を同じように調理しても、良い器で食べれば美味しく感じるのはもちろんのこと、消化吸収ぐんとも良い。
良い器で食べている人の方が、より健康になる!ということです。
うれしいですね。
こんな、ちょっと変わった、一工夫した輪島塗を考えて考えて作るのが社長の楽しみです。社長をう~んとうならせる、無理難題の輪島塗の特注がきたら、社長は、待ってましたとばかりに小鼻をふくらませ喜びます。
漆器はいいですね。環境にも人にも優しい、そしてあたたかい。
漆(うるし)をもっと身近に感じて欲しい。輪島漆器大雅堂(株)の願いです。
【商品データ】
長角二段重・たまり朱 281,600円(税込)
素材 天然木 布着本堅地輪島塗
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役