硯箱 椿蒔絵 429,000円(税込)
落札価格の発表(平成30年4月23日締切ました)
158,888 円 大阪府 R.I 様
沢山の入札を有難うございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
硯箱の形状は、かぶせ蓋・胴張型
美しい椿の花を蒔絵した硯箱は、かぶせ蓋・胴張型です。
胴張型は、四角の一辺の中央が、外へふっくらと張り出している形です。
厚い木地材から曲面を削り出して成形しますので、真四角の物に比べると、木材が多く必要で、手間もかかる、贅沢なつくりの硯箱です。
硯箱は、硯や筆などの書の道具を入れる箱です。
また昨今では、ブームの自分史や家系図を書かれるための大切なノートや資料を収納する、
絵手紙を書くハガキや絵具などを収納する、などの使い方も伺っています。
生活や趣味に合わせてお好きなようにお使い頂きたい箱です。
硯箱は、和室の調度として、文机や書院の飾りとしても人気があります。
特別なお手入れは不要です。
日々のお手入れは、柔らかい布で拭いて下さい。
汚れた時は、もちろん水洗い可能です。
直射日光が当たる場所に長く置くと、漆の劣化が早まりますので、避けてください。
椿の木は、神の宿り木
椿の花は、花が終わるとはらはら散るのではなく、
花のままぽろりと落ちることから、敬遠されることも多い花ですが、
じつは、椿の木は、神の宿り木として、知る人ぞ知る霊木です。
そのため、お話しに登場する不老長寿の「仙人」の持つ杖(つえ)は、椿で出来ているそうであり、椿は、春を告げる聖なる花ともいわれています。
硯箱の蒔絵の中で、きらきら青く光るのは、青貝です。
細かい青貝をひとつひとつ貼りつけて、華やかさを演出しています。
色研ぎ出し蒔絵とは
椿は、色研ぎ出し蒔絵という蒔絵の技法で描かれています。
光の当たり具合、見る角度により、椿は、赤や緑に見えたり、金色に見えたりします。
色研ぎ出し蒔絵とは、金・銀だけでなく、色鮮やかな色漆を用いた蒔絵の技法です。
まず、模様を漆で描いて粗い金粉を蒔き、金粉の固着の為に(通常は半透明の漆を塗りますが)代わりに色漆を塗ります。椿の場合は、赤や緑です。
硬化した後、先に蒔いた金を研ぎ出します。
金の上部を半分ほど研ぎ出すと、色漆の間から金が見えるようになります。
研ぎ出し蒔絵は、見る角度によって、色漆が多く見えたり、金が多く見えたりして、大変表情が豊かな蒔絵です。高度な技術が生み出す、贅沢な楽しみですね。
※金の上部を半分研ぎ出す→これは金の色味が一番美しく見える分量で、ミクロの世界の話です。どうやってはかるかというと、職人さんの経験と勘でのみ、はかられます。
動画を撮影しました。
硯箱 椿蒔絵 429,000円(税込)中板1枚付き
外寸法:縦28.8cm 横22.7cm 厚み4.7cm
内寸法:縦26.6cm 横20.6cm 高さ3cm
板寸法:縦26.4cm 横20.4cm 厚み0.8cm
落札価格の発表(平成30年4月23日締切ました)
158,888 円 大阪府 R.I 様
沢山の入札を有難うございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役