雑煮椀 折鶴松竹梅蒔絵 2客1組 264,000円(税込)
折鶴は平和の願い
折鶴は、日本特有の遊び・折紙の中でも、平和の願いをあらわす象徴的な模様です。
古来、大陸では鶴は千年生きるとされ、瑞鳥(ずいちょう)として尊ばれてきました。
それは、仙人に由来し、日本では七福神の一人に数えられる福禄寿(ふくろくじゅ・福と禄:財と寿:長寿を授ける神)が、つねに鶴を従えています。
日本でも、万年生きるといわれる亀と共に長寿の象徴として喜ばれています。
御目出度いものの代表・松竹梅
この三つの植物が雨風や寒さに耐え抜く生命力の強さを持っています。
松は、常緑樹で古くから長寿のシンボルとされてきました。
竹は、常緑で成長も早いことから、生命力の盛んなしるしとして尊ばれてきました。
天に向かってまっすぐ伸びるその姿が、いかにも生命力の強さを連想させます。
ささと共に、魔除けの意味も有るとされ、神事にも多用されます。
梅は、早春の花で生命の息吹を感じさせます。古くから、知恵と悟りの花・神の叡智を呼ぶ花とされてきました。
松竹梅は、幸せを願う心をあらわすといえます。
輪島塗でお雑煮を
お正月にかかせない、皆がそろって囲む食卓の主役は雑煮。
雑煮は、全国各地で様々に違う頂き方があるそうです。
我が家流の雑煮を、輪島塗の雑煮椀で。
いくつになっても忘れない故郷・家族の思い出として、心に残ります。
輪島塗の椀は、保温性が高いので、熱いものは熱いまま、冷たいものはつめたいままでお召し上がり頂けます。
また、断熱性が高いので、雑煮は熱くても手や唇には熱くありません。
大変、人に優しいお椀です。
そして、修理・修繕がききますので、長くお使い頂けるエコ商品でもあります。
蓋に描かれた熨斗模様の先端も、折鶴の形になっています。
おめでたい時に飾られる「熨斗(のし)」とは
もともとは、鮑(あわび)を薄く長く剥ぎ、伸ばして(のして)乾燥させた「のしあわび」で、後に祝い事の贈り物や飾りになったものです。
現代では簡略化されており、印刷ののしの、真ん中の黄色い紙がのしあわびの名残だそうです。
熨斗は、美しい細長い紙上の物を束ねた束ね熨斗や、草花を和紙で包んだ花熨斗、松竹梅を組み合わせた熨斗など、様々な美しい文様が生み出され、様々な工芸品や染物に 使われている人気の紋様です。
また、「鮑は不老不死の薬」と言われた伝説が、長寿の願いを込めた熨斗文様の人気の理由でもあります。
華やかで美しいのし蒔絵は、お正月や御祝い事にもふさわしい蒔絵です。
様々な蒔絵の技法で描かれた美しいのしと松竹梅。
きらきらした部分は、梨子地技法で描かれています。
梨子地(なしじ)とは
梨子地(なしじ)とは、粗い金粉や錫粉を塗面に蒔いて、上から漆を塗り込んで研ぎ、
磨き上げる輪島塗の技法です。
金粉や錫粉が立ったり寝たりしているので、光の当たり具合によって、きらきらと美しく輝きます。
梨の実の細かい斑点の風合いが、名前の由来です。
輪島塗の雑煮椀の取扱いは簡単です。
雑煮椀を洗う時は、普段お使いの台所用洗剤を使用し、柔らかいスポンジで洗ってください。
つけ置きも大丈夫。この時は、陶磁器やガラス製品に当たると傷がつくことがありますので、別に入れてつけ置きしてください。
水洗いでも、お湯で洗っても大丈夫です。(お湯と言っても熱湯は禁物です。)
洗い終わったら、柔らかい布で拭いて下さい。
※食器洗い機や、食器乾燥機、電子レンジは使用不可です。
輪島塗は天然木天然漆製ですので、高温乾燥に弱く、大切な輪島塗がダメになってしまいます。(この場合は木地自体がダメになりますので、修理が出来ないことが多いです)
何かと忙しい世の中、めんどくさいと思いますが、手で洗って拭いていただく。
この間にも漆の肌触りや艶の美しさ、蒔絵沈金の優美さをお楽しみ頂ければ、と思います。
輪島塗雑煮椀 折鶴松竹梅蒔絵 2客1組 264,000円(税込)
直径14cm 高さ12cm
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役