輪島塗の雑煮椀の様々な種類や模様
輪島塗の雑煮椀には、形や大きさの種類が沢山あります。
また、模様にも蒔絵や沈金のもの、無地の物があり、そして、塗の色も黒・黒内朱・朱とお好みに合わせてお選びいただけるよう、様々にご用意しています。
1.雑煮椀 梨子地山水蒔絵 990,000円(5客1組税込)
寸法:直径13.5cm 高さ10.6cm
椀の外側全体に、梨子地(なしじ)を施し、長寿の象徴「松」を中心とした山水蒔絵の椀です。
内側は黒塗りです。蓋の見返しには、遠山蒔絵が描かれ、近くの松と遠山の遠近感を表現しています。
2.雑煮椀 朱塗り・四季草花蒔絵 660,000円(5客1組税込)
寸法:直径12.3cm 高さ10cm 5客1組
鮮やかな朱塗りの椀に、日本の四季を彩る美しい草花を、色研ぎ出し蒔絵の技法で描いた雑煮椀です。
内側は、黒塗です。
色研ぎ出し蒔絵とは
まず、模様を漆で描いて粗い金粉を蒔き、金粉の固着の為に(通常は半透明の漆を塗りますが代わりに)色漆を塗ります。
硬化した後、先に蒔いた金を研ぎ出します。
金の上部を半分ほど研ぎ出すと、色漆の間から金が見えるようになります。
研ぎ出し蒔絵は、見る角度によって、色漆が多く見えたり、金が多く見えたりして、大変表情が豊かな蒔絵です。高度な技術が生み出す、贅沢な楽しみですね。
大きさ・形の比較 朱の無地もございます。
3.雑煮椀 彩扇面蒔絵 946,000円(5客1組税込)
寸法:直径13.4cm 高さ11cm
椀の内側が色鮮やかな朱塗りの雑煮椀です。
色鮮やかな色研ぎ出し蒔絵の扇面が、お正月の寿ぎの雰囲気に合います。
4.雑煮椀 飛花(ひか)沈金 473,000円(5客1組税込)
寸法:直径12.8cm 高さ10.4cm
風に乗ってほうぼうへ運ばれ、また芽を出す植物の種子を題材にした飛花沈金は、子孫繁栄の吉祥模様です。
ふわりふわりと舞う様子は、軽やかで愛らしくさえあります。
沈金(ちんきん)とは
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
手で表面を触ってみてください。
細い溝になって、彫り込まれていることがわかります。
反対に蒔絵は、筆で漆絵を描き、金を蒔きますので、表面は盛り上がっています。
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、輪島ならではの技法です。
5.雑煮椀 扇面草花蒔絵 1,320,000円(5客1組税込)
寸法:直径13.8cm 高さ10.6cm
扇面(扇)は、日本で作られた日本特有のもので、末が広がる形から 「末広」 ともいい、発展や拡大を意味する縁起のよいもの、とされ、古くから愛され続ける吉祥模様です。
豪華な金蒔絵の贅沢な雑煮椀です。
内側は黒塗です。
6.雑煮椀 初音蒔絵 1,430,000円(5客1組税込)
寸法:直径13.4cm 高さ10.2cm
金をふんだんに使用した、お正月に相応しい題材の、贅沢で格調高い雑煮椀です。
初音蒔絵とは
初音蒔絵は、徳川三代将軍家光の長女・千代姫が、尾張徳川家に数え三歳で嫁いだときの嫁入り道具「初音の調度」を模した蒔絵です。
「初音の調度」は、将軍家の権威と財力を象徴するような、贅を尽くし美を究めた、姫君の身のまわりを飾った沢山の奥道具でした。
「年月をまつにひかれてふる人に今日うぐいすの初音きかせよ」
(私はだんだん年をとっていく。一番あなたの事をおもっていますよ。その母の為にぜひ、今年初めての便りをくださいね。)
源氏物語の「初音」の帖に取材してデザインされた美しい蒔絵が、初音蒔絵です。
蓋見返しに、うぐいすが描かれています。
7.雑煮椀 紅葉山水蒔絵 803,000円(5客1組税込)
寸法:直径12.8cm 高さ9.3cm
5客とも違う紅葉山水蒔絵の、絵替わりの雑煮椀です。
研ぎ出し蒔絵の遠山や、青貝のちらし方、舞う紅葉など、1きゃくづつ趣向を変えた手の込んだしつらえの雑煮椀です。
遠山と手前の紅葉の遠近感を表現し、金粉の霞で一枚の絵のように仕上げられています。
内側は黒塗です。
8.雑煮椀 錦松沈金 440,000円(5客1組税込)
寸法:直径12.5cm 高さ10.5cm
背の高い雑煮椀です。
雄々しい松の太い枝から、強い生命力を感じさせる松の模様は、長寿を願う吉祥模様です。
椀の内側は鮮やかな朱塗りです。
9.雑煮椀 州浜雅蒔絵 660,000円(5客1組税込)
寸法:直径12.5cm 高さ10.8cm
その他、お時間を頂戴すれば、5客以外の数でのお誂えも可能です。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役