屠蘇器・重箱セット 飛花沈金 814,000円(税込)
お正月らしい輪島塗として、屠蘇器・重箱のセットは、
欠かせないものです。
屠蘇器は、お年始のお客様や家族で、
おめでたいお屠蘇を頂くために必要なものが揃っています。
重箱は、ふたを開けると、おめでたいいわれのおせち料理が並び、
ふたをして保存もでき、持ち運びも便利で重宝なものです。
飛花沈金とは、
植物の種子が風に乗り、ふわふわと舞う様子を
輪島ならではの技法である沈金で表現したもので、
舞い降りた種子はやがて目を出し、花を咲かせ、
そして実を付け増えて行くことから、子孫繁栄を表しています。
この屠蘇器・重箱のセット・飛花沈金は、羽根のように軽やかでやわらかな種子の図が
優しく上品な雰囲気。
漆黒と金の対比も美しい、人気の屠蘇器・重箱のセットです。
飛花沈金のふわっと細い線は、
大変繊細な技術を駆使して彫り込まれています。
線と線が交差するところは、輪島の堅牢な塗があってこそできる技で、
作家の技術の高さをも物語っています。
沈金とは
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、
のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、
しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、
輪島ならではの技法です。
お屠蘇(おとそ)とは?
屠蘇は、もともとは薬だったそうです。
山椒・大黄・白じゅつ・桔梗・細辛・乾姜・防風などを三角の紅の帛衣に入れて、
酒やみりんに浸したもの。
唐の時代に医師が流行風邪のための薬として作ったものが
おいしくて評判になり定着した、と言われます。
屠蘇(とそ)とは、「邪気を屠絶し、人魂を蘇生させる」
ということで、
一年中の邪気を祓い延命長寿を願うために飲む酒です。
美しい蒔絵が、いっそう晴れやかな迎春の時を演出し、
新しい一年の門出を幸多かれと祈念します。
おせち料理とは?
おせち料理は、お正月三が日台所に立たないように、と作られた保存食とか。
現在のように年末年始も開いているお店もありませんでした。
では、どうして漆の重箱につめたのでしょうか?
先人はきっと、漆の抗菌効果に気づいていたのでしょう。
現在はその、漆の抗菌効果が、科学的に証明されようとしています。
先人は素晴らしい文化を残してくれたものです。
ある研究者によると、同じ物を同じように調理しても、
良い器で食べれば美味しく感じるのはもちろんのこと、消化吸収ぐんとも良い。
良い器で食べている人の方が、より健康になる!?
うれしいですね。
また、重箱は、重ねて持ち運びがしやすく、
ふたをして保存もできる優れ物なのです。
輪島塗の取り扱いは簡単です。
屠蘇器も重箱も、雑煮椀も、ぬるま湯で洗ってください。
油汚れは、台所用洗剤を使います。この時は柔らかいスポンジで。
つけおきも大丈夫。
輪島塗は、工程のところどころで水を使い研いでいます。
しっかり仕上がっているからこそ、水は平気なのです。
そのあと、長くしまっておくときは、さっと熱いお湯をくぐらせ水気をきって、
柔らかい布で良く拭いてください。
次のお正月まで使わない重箱は、しっかり汚れを落として、
ついでに磨きながら、艶や蒔絵を楽しんで、
そして、あまり乾燥しない場所(部屋の低い所)にしまってください。
寸法
屠蘇器 幅43.8 奥行き27.3 高さ26.5cm
盃 大:直径11.5 高さ4.2cm
中:直径10 高さ3.7cm
小:直径8.3 高さ3.2cm
重箱 幅20 奥行き20 高さ19.5cm
平台 幅26 奥行き26 高さ2.8cm
屠蘇器・重箱セット 飛花沈金(桐箱入り)
1組814,000円(税込)
屠蘇器・重箱セット 飛花沈金は、
大雅堂展示場にて、ぜひ実物をご覧ください。
大雅堂展示場は、輪島市街地より少し離れています。
立地条件から、観光のお客様にはあまりご縁がなく、
ご予約頂きました日時にのみ、鍵を開けてご覧頂いております。
当日の御予約も承ります。(担当者不在の際にはご容赦くださいませ。)
どうぞお気軽にご予約くださいませ。
心よりお待ち申し上げております。
電話 0768-22-0184
輪島塗は、全工程完全手作りです。職人の技が随所にきらりと光ります。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、
堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
輪島の屠蘇器・重箱の自慢は、見えない部分も輪島塗であることです。
裏側も、内側も、そして床にふれる足の底面も、すべて輪島塗。
ですから、どこから見ても輪島塗。
畳や絨毯にも、指にも食器にもやさしいのです。
しかし、どんなに気をつけていても、
長い年月ご愛用いただくうち、使い傷はどうしてもついてしまいます。
使いなじんできただけに、修理して使い続けたいものです。
そんな時は、お気軽に修理のご相談を。
傷に応じて、御見積のうえ修理致します。
本堅地の輪島塗は、丈夫な下地に塗り重ねた輪島塗だからこそ、
痛みの度合いに応じて、工程をさかのぼって修理ができます。
塗り直してしまうほどになった場合は、
その際に思い切ってリフォームという方法もあります。
模様を変えたり、色を変えたり、いかようにもできます。
また新たな気持ちで、お使いいただけます。
代々受け継がれ使い続けていただきたいものです。
修理など、何なりとお気軽にご相談くださいませ。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役