菓子器 紅葉蒔絵 198,000円(税込)
落札価格の発表(平成30年4月23日締切ました)
98,888 円 大阪府 R.I 様
沢山の入札を有難うございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
紅葉という木はない?
紅葉は秋の草として、古くから文様として好んで用いられてきました。
その紅葉は、実はカエデ科の落葉高木の総称です。
楓や楓の葉のことを通常「紅葉(もみじ)」と呼びます。
晩秋になると葉の色が黄や紅になり、その形や色の美しさから「錦」とも表現され
古来より好んで多用された文様です。
歌にも多く読まれる、日本の四季を彩る美しい紅葉は、誰からも愛される文様です。
菓子器は、お菓子を入れる器です。
お茶席では主菓子をのせてお使い頂くのに、ぴったり。
ご家庭では、お菓子やみかんをのせてお出しするだけでなく、お料理にもお使い頂きたい、重宝な形です。
盛り皿として、お刺身や、煮物、ご飯ものなど、たっぷり入ります。
菓子器の裏は、底面まで木地に工夫を凝らした形。
木地を浅くはつって、模様にし、溜塗の漆が溜まる様子をよりお楽しみ頂けるようにしました。
溜(溜塗り)とは
中塗りに朱漆を塗り、上塗りに朱合い漆という半透明の漆をぬる技法です。
漆は時間が経つにつれて透明度が増してくる、という特性を生かし、中塗りの朱が漆が薄くのる縁のほうから透けて、落ち着いた中にも華やかさのある雰囲気をかもします。
例えば、菓子器の表面の溜塗は、箸の方が薄く透けて赤っぽく見えますし、裏の木地のはつった部分には、漆が「溜まる」ので、濃い色に見えます。
金蒔絵だけでなく、色研ぎ出し蒔絵、朱や緑の色漆の紅葉、そしてひときわ輝いている紅葉は梨子地仕上げの紅葉です。
色研ぎ出し蒔絵とは
色研ぎ出し蒔絵とは、金・銀だけでなく、色鮮やかな色漆を用いた蒔絵の技法です。
まず、模様を漆で描いて粗い金粉を蒔き、金粉の固着の為に(通常は半透明の漆を塗りますが)代わりに色漆を塗ります。椿の場合は、赤や緑です。
硬化した後、先に蒔いた金を研ぎ出します。
金の上部を半分ほど研ぎ出すと、色漆の間から金が見えるようになります。
研ぎ出し蒔絵は、見る角度によって、色漆が多く見えたり、金が多く見えたりして、大変表情が豊かな蒔絵です。高度な技術が生み出す、贅沢な楽しみですね。
※金の上部を半分研ぎ出す→これは金の色味が一番美しく見える分量で、ミクロの世界の話です。どうやってはかるかというと、職人さんの経験と勘でのみ、はかられます。
動画を撮影しました。
梨子地とは
梨子地とは、粗い金粉を塗面に蒔いて漆を塗り込んで研ぎ、磨き上げる技法です。
贅沢に粗い金粉をたっぷり蒔いて仕上げます。
金粉が、立ったり寝たりしているので、光の当たり具合によって、きらきらと美しく輝きます。
梨の実の細かい斑点の風合いが、名前の由来です。
美しい紅葉を、蒔絵の様々な技法を駆使して描いたこの菓子器は、飾皿として飾って頂くのも素晴らしいです。
使い方に決まりはありません、思いつくままに存分にお使いください。
取扱いは簡単です。
お茶やお料理に使った後は、水やぬるま湯で、普通の食器と同じように洗ってください。
柔らかいスポンジをお使い頂ければ、傷はつきません。
普段お使いの中性洗剤をご使用ください。
飾皿の場合は、普段はほこりが気になれば柔らかい布で拭いて下さい。
直射日光が当たる場所に長く置くと、漆の劣化が早まりますので、避けて下さい。
輪島塗は修理やメンテナンスが出来ますので、安心してお使いください。
菓子器 紅葉蒔絵 198,000円(税込)
寸法:直径29.7cm 厚み4.2cm 桐箱入り
落札価格の発表(平成30年4月23日締切ました)
98,888 円 大阪府 R.I 様
沢山の入札を有難うございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役