飾り棚 絵替わり草花蒔絵
飾り棚の蒔絵を5種類の草花蒔絵見本よりお選び頂いて作る草花蒔絵飾り棚です。
美しい溜塗りの飾り棚に、お好きな花の蒔絵を描いて仕上げます。
溜塗(ためぬり)は、黒や朱塗りより、1回多く手間がかかります。
はじめに朱漆を塗り、次に朱合漆(しゅあいうるし)というべっこう色の漆を塗っているからです。
その雰囲気は、戦前の天皇陛下の御車が溜塗であったように、高貴で落ち着いていて華麗です。
溜(溜塗り)とは
中塗りに朱漆を塗り、上塗りに朱合い漆という半透明の漆をぬる技法。
漆は時間が経つにつれて透明度が増してくる、という特性を生かし、中塗りの朱が漆が薄くのるふちのほうから透けて、落ち着いた中にも華やかさのある、雰囲気をかもします。
経年の変化を、逆に楽しみにしていただきたいものです。
飾り棚に描く草花蒔絵は、どれも古来より愛され続ける代表的な花。
飾り棚に描く蒔絵の見本を、実際に見てお選び頂けるので、仕上がりのイメージがしやすく、気軽にオーダー蒔絵をお楽しみ頂けます。
鉄線(てっせん)
鉄線は、鉄のように強いつるをもつ植物という意味である。
その優美な姿が、古来より大変好まれ、桃山時代頃から小袖や能装束に描かれてきた。
唐草文様になっているものも多く、連綿と続くイメージから吉事が終わり無く続く吉祥文様である。
椿(つばき)
椿の花は、花が終わるとはらはら散るのではなく、花のままぽろりと落ちることから、敬遠されることも多いが、じつは、椿の木は、神の宿り木として、知る人ぞ知る霊木である。
お話しに登場する不老長寿の「仙人」の持つ杖(つえ)は、椿で出来ているそうであり、春を告げる聖なる花ともいわれる。
桜(さくら)
日本では、花といえば桜、といえるほど親しまれており、日本の国花でもある。
美しく咲きぱっと散る、そのいさぎよさが日本人の心を打つともいわれますが、長い冬が終わったあとの、早春の満開の桜の花の可憐さは、誰しもが見とれる美しさである。
萩(はぎ)
萩は、秋の七草の一つで、字を分けるとまさに「秋の草」になる。夏から秋にかけて紅紫色もしくは白の蝶型花をつけ、「万葉集」にも多く詠まれている。秋草文様にはかかせない花として、多くの絵画や蒔絵・友禅などに描かれてきた、秋を代表する文様。
水仙(すいせん)
1月から2月にかけて花が咲く水仙。新年の頃に満開になるため、新春の瑞兆花(ずいちょうか)とされる。瑞兆とはおめでたい兆し(きざし)のこと。また、水仙の仙は、天仙の仙ともいわれ、長寿の象徴の吉祥花とされる。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役