Q:お客様が高齢で足が悪い方が多く、お座敷にソファーを設置したいと
考えております。
現在の座卓を利用したいのですが高さが低く、座卓の足の下に置く物、あるいは足部分の10cmほど継ぎ足しをお 願いできないか考えております。
足は、はずれますので足だけお送りすることもできます。
なにか良い方法がございましたらご提案いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
A:できます。
お客様の座卓は、足がしっかりとはめ込まれる形状ですので、このままの足の下部に、新たな10cm長さの部品を制作してねじ式で取り付けることが可能と考えました。
新しい部品は、取り外しが簡単にできる形状にし、通常の座卓の高さでの使用もできます。
新しい部品は、輪島塗の座卓に合わせて輪島塗にて制作することもできますが、この場合は、仕上がりまで4~6か月かかります。
今回は、木地を成型し、漆を塗っては拭き、塗っては拭きを数回繰り返し、黒く染める「拭き漆」にて、なるべく早く完成するように制作いたしました。
また、制作時に、座卓の足を長くお預かりしてしまうと、その間、座卓が使用できなくなりますので、木地の制作のために見本として足を一度お送りいただき数日間お預かりした後、いったんお返ししました。
仕上がりまで約1か月ほど。部品が仕上がったら再度足をお送りいただいて、部品をくっつけてお納めいたしました。
和のお座敷にも似合う、お誂えのソファーセットがとても上品で素敵です。
お話が盛り上がっても足がしびれない(笑)、快適な応接間になりました。
納品後、お客様からメールと写真を頂き、ブログ掲載の許可もいただきましたので、ご紹介します。
この度は、希望通りの座卓の脚を作成していただきまして
ありがとうございました。他の工事の都合でやっと設置完了しました。
メールのやりとりだけでこちらの希望を叶えていただき
感謝しております。
これで、膝痛、しびれを気にせずお客様にもゆっくり
していただけそうです。
座卓が再度活躍してくれて嬉しい限りです。お写真をお送りさせていただきますのでどうぞ
ご覧になられてください。取り急ぎお礼申しあげます。
この度は、座卓の足のリフォームのご用命を賜りまして、誠にありがとうございました。お喜びいただき、ありがとうございます。今後とも末永くご愛用くださいませ。
せっかく立派に作られた工芸品を、リフォームして
立派に使えることを皆さんにお知らせできれば嬉しい限りです。
おっしゃる通りです!そうなんです。
私たち塗師屋がもっと一生懸命お知らせしなくては、輪島塗は、高価で立派で大きくて、簡単にリフォームなどが出来ないのでは、とあきらめてしまう方がいらっしゃるのではないでしょうか?
ご先祖様が残してくれた大切な輪島塗の座卓が、サイズが合わなくなったことで、使われなくなってしまうのは残念です。
「リフォームすれば、また大切に使い続けられる」
この度のお客様のように、「こうリフォームすれば、また大切に使い続けられる」と、ひらめいて、思いつかれましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
良い方法を考えて、ご相談いたします。
末永く、ご家族の真ん中でお使いいただける輪島塗座卓にリフォーム致します。
輪島塗の座卓をダイニングテーブルにリフォームしたい!
座卓リフォームの説明ページはこちらです
輪島塗の座卓の表面の汚れやシミを美しくしたい!
座卓修理の説明ページはこちらです
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂 代表取締役