6月1日は、漆祖祭。しっそさいと読みます。輪島塗に必要不可欠な地の粉に感謝し、発見した先人に、そして、今まで輪島塗を育んでくれたあらゆるすべてに感謝する厳粛かつ質素なお祭りです。画像は、地の粉山の木碑です。地の粉は、現在の使用ペースで、あと10年でなくなってしまうといわれています。地の粉山では、いろいろ試掘してさがしていますが、芳しくありません。たいへんなんです。地の粉山の儀式がおわると、今度は、漆器組合でお祀りしています虚空蔵菩薩さまをお参りします。虚空蔵菩薩は、漆の守り仏です。ちなみに、私の守り本尊も、虚空蔵さまです。なんだか、縁を感じます。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 監査役
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役