おもしろい技法・漆額パネル「倶利伽羅龍王」沈金について

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黒龍

不動明王の変じた龍で、倶利伽羅龍王とも言われます。その長さは十万由旬、口から吐く息の音は万億の雷が一時に轟くばかりの凄まじさのためこれを聞いた悪鬼魔性の輩はたちまち滅びると言われます。

龍の持つ珠を如意宝珠と言い、毒も毒にはならず火に入るも焼かれず水にはいるも溺れず、これを持つ者は福徳果報きわまりなしと言われています。意の欲する如くにあらゆる宝が出てくる珠です。

輪島塗の額装は、通常、黒地に金色の絵が多いのですが、黒龍を現すために背景を白にしました。白と言っても真白にはならず乳白色です。漆そのものが精製したものはベッコウ色(濃いほう)なのでどうしても、この様な色になってしまいます。点彫、線彫、こすり、など様々な技法を駆使して仕上げられています。水墨画のような雰囲気と沈金ならではの繊細さ、そして、力強さを感じます。