開発一年、製作一年。満を持しての登場以来、好評を得ているぐい呑です!
冷酒専用で中へはスルスル一杯入れるのではなく半分くらいにしてお酒をいれます。この閉じた形は香りを閉じ込めるので呑む時に香りも一緒に吞めるのです。これによって、お酒の旨みは数倍になって口や鼻の中を駆け巡るのです!
お酒を大事にする酒飲み専用のぐい呑ならではの工夫もあります。このシッポです。シッポが転がり止めになっており、酔っぱらってぐい呑を転がしてしまってもコロコロいかずにコトンと起き上がるようになっています。起き上がらずとも転がり落ちることはありません。
裏から見ると9という数字に見えます。これは、陽数の最高数であり非常に縁起のよい数字なのです。
シッポを漆で盛上げるのが大変で、実は器の製作費と同じくらいかかっています。でも、どうしても必要なのでくっつけました!お酒を呑んでいる時に手の平や指に引っかかりこれまたいい触り心地なんです。おつまみ要らずです!コロコロなりません!
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 監査役
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役