昨日、輪島塗の酒器で、日本酒の試し飲みをしました。
口の広いものや閉じたもの、深いのものや浅いもの、いろいろの器で同じお酒を呑み比べしてみました。もちろん、いろいろの銘柄のお酒も呑みました!
でも、ここで試してみたかったことは、器の形でお酒の味が変わるということでした。お酒を飲むときに一番はじめにあたる舌の場所によって、感じる味が違うということです。舌は甘い渋い辛いなどを感じる場所がちがうのです!それを知って器の形を考えるとおもしろいですね!
実は、昨日、その現場を画像に残せばよかったのですが、とにかく、忙しくて全く気付きもしませんでした。あ…。もう!終わって、ホッとひと休みしていて、しまった!ということで、本日、この画像となってしまいました。
蒸したてホヤホヤのわじま舳倉島産のアワビ!135グラム10.000円!一切れなんと!400円です!私はお話しばっかりしていて食べそびれてしまいました。トホホです。後から聞くと噛めば噛むほど味がしみだして本当においしかったそうです。聞かなけりゃよかった…。です!
話を戻して、色は何色が美味く感じるのでしょうか。以前は、朱色が好きでしたが、最近は、くろもなかなかと感じています。漆黒と言われるように、まさにそのものですが、真っ暗闇から生れ出るお酒というか、混沌とした宇宙からこぼれ出る感じというか、なんだか不思議な感覚で呑みました。孫悟空の物語で返事をしたら吸い込まれる瓢箪がありますが、お酒の入った閉じた形の器の中を覗いていると、そんな瓢箪を思い出してしまいました。お〜いって言わなくてよかったです。
今回は、蒔絵や沈金の入った酒器は使いませんでした。柄があるとわーキレイで終わってしまう恐れがあったからです。見込に蒔絵や沈金があると…お酒をいれて…お〜〜!絵が浮いてみえる!なんてことになってしまって、味わうどころでなくなってしまうこともあるのです。
何はともあれ、昨日は、大成功!みんな楽しく美味しくいただいたようです。私以外は、、、。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 監査役
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役