まず、知って頂きたいことは、輪島塗だから、といって、特に難しい取り扱いや洗い方はありません。
屠蘇器の取扱いで、一番気をつけて頂くことは、
アルコール分が着いた部分を、しっかり洗って、仕舞って頂くことです。
アルコールが着いたまま、長らく放置すると、
漆が劣化してシミになったり、
漆器同士がくっついてしまうことがあります。
きれいに洗って頂ければ、心配はありません。
お正月お使いの間は、1日の来客が終わったら、一度洗ってください。
三が日が終わったら(使用頻度が低くなったら)、
一度、良く洗って、松の内は、屠蘇器を床の間やリビングに飾って
お正月の雰囲気をお楽しみ下さい。
※洗い方は、簡単です。
いつも台所でお使いの、普通の中性洗剤をつかって、
柔らかいスポンジを使って、洗ってください。
蒔絵や沈金の部分も、怖がらずに洗ってください、大丈夫です。
固いものでごしごしするのは、禁物です。
漂白剤も使わないでください、不要です。
※ご注意
食器洗い乾燥機・乾燥機は、使わないでください。
昔ながらの製造方法で仕上げている漆製品です、昔なかった電化製品には対応していません。(電子レンジもダメです、一度で修理不能・木地までダメになることがあります)大事にお使い頂ければ、長くお楽しみ頂けます。現代社会では不便に思われると思いますが、洗った時の艶や、拭き上げた時の手触りなどを楽しみと思って、どうぞよろしくお願いします。
洗ったら、柔らかい布・タオルで拭いてください。
仕上げに、よく、「熱いお湯にくぐらせる」といいますが、
これは、水きれを良くし、拭きやすくするためです。
熱いと言っても、手で触れないほどの熱湯はダメです。
普段、お茶碗を洗う時に使う温度でOKです。
洗剤で洗って、お湯で流してしあげ、拭く。それでOKです。
こわごわ、触っていると、落としたりぶつけたりしてしまいますので、
しっかり握って、しっかり洗ってくださいね。
柔らかい布で拭きながら、漆の艶や手触りを楽しんでください。
ついでに、あちこちの点検もしてみてください。
※銚子の金具が壊れてしまったら
銚子の金具は、銀製の1個1個手作り品です。銚子に合わせて取り付けています。
こわれてしまった、片方だけ無くなってしまった、という場合は、新しく1組ご用意して、取り換えすることが出来ます。
価格は、そんなに高くありませんが、周りを傷つけないように慎重に取り換えてくださいね。また、大きさが様々ございます。
ご面倒でも銚子だけお送りいただければ、弊社にて取り換え致しますので、お気軽にご相談下さい。
仕舞う時は、薄い紙で、漆器同士が当たらないように包み、
黄色の布袋に入れて(柔らかい布でOK,緩衝材でもOK)、紙箱に入れ、桐箱に入れます。
(梱包時には、発送するためにしっかり縛って、グラグラしないように致します。
おうちで仕舞っておくときは、そんなに頑丈な縛りは不要です)
保管する場所は、乾燥しない場所を選んでください。
部屋の中ですと、高い所が乾燥します。
何年も長くご愛用頂くうちに、艶がうせたり、使い傷が目立ったりしてきます。
その時は、どうぞ輪島へ修理に出して下さい。
きれいに修理して、また末永く気持ちよくご愛用頂けます。
どうぞお気軽にご相談下さいませ。
その他、ご不明な点がございましたら、
どうぞ何なりとお気軽にお問い合わせ下さいませ。
修理やメンテナンスをしながら、代々にわたって思い出と共に家族に伝えていき、長くながーくご愛用頂くのが輪島塗のいい所です。
お気軽にお問い合わせ下さませ。
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂 代表取締役