加賀蒔絵師 池田喜一 略歴紹介

この記事は約2分で読めます。

加賀蒔絵は、豪放華麗な桃山芸術のうちから生まれたもので、
技術の直系は加賀百万石の温床に
三百数十年育み残されてきました。
池田喜一氏はこの正統加賀蒔絵師・二代井波喜六斉の門に
久しく訓育を受けその奥義を会得した
数少ない技術保持者の一人であります。


氏の作の特色は、単に加賀蒔絵の古典を再現するに止まらず、
基礎技術の上に新感覚を巧みに取り入れ、
現代作品として脈々として生気に溢れている所にあると思います。
昭和25年日展工芸部に初入選、26年日展出品作「清流の図・屏風」は、
斬新な構図と明快な色漆を縦横に使いながら、
奥深い古典技術の潜在が見られ、出品漆芸作品中、最高の傑作と評されました。
果せるかな審査席上、全審査員一致特選の栄誉が与えられました。
27年以降も引き続き毎年秀作も発表、我が国漆芸代表作家として
大成する日も近いものと思われます。
彼の今後の活躍が大いに期待されて居ます。
(推薦の言葉・石川県美術館館長 高橋介州)
略 歴
昭和24年 現代美展入選(授賞)
  25年 日展入選
     現代美展入選(最高授賞)
  26年 日展入選(特選)
     現代美展入選(最高授賞) 
  27年 日展招待出品に推選
     日本貿易展(最高授賞)
  28年 日展入選
     現代米国展招待出品
  29年 関西美展 招待出品
  30年 現代美展 招待作家として推挙
  32年 現代ソ連展出品
  36年 日展入選
  39年 日展入選
  52年 伝統工芸展入選