輪島塗によく使われる模様は何だろう?

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輪島塗に最も多く使われる模様は何かご存知でしょうか。

それは、植物です。

なかでも多いものは縁起のよい模様です。

たとえば、松竹梅や四君子などです。

松竹梅は日本酒の銘柄でもよく知られている縁起物の代表ですね。

松は、どんなに暑くてもどんなに寒くても、つねに青々と緑を保ち、とげとげの葉は邪気を払うと言われています。

また、竹は粘り強く雪の重さにも耐え、節があることから上に行ってもさらに上があるという人生訓にも例えられます。

そして、梅は寒い冬を乗り越え一番に花が咲くところから、耐え忍んで一氣に成功するという意味があります。

どれも私たち日本人が好む謂れがあります。

四君子(しくんし)は、梅、蘭、菊、竹の柄のことで、これに松を加えて五聖(ごせい)と言ったりします。

松竹梅に菊と蘭が加えられた模様というわけです。

菊は重陽の節句や養老の滝に謂われるように長寿を意味し、蘭は優雅な君子の立姿に似ており高貴な香りを醸していると謂われています。

これらの模様はすべてをひとつの器物に描くこともありますが、それぞれが素晴らしい意味合いを持った植物なので、単独でもよく使われています。

漆器は平安時代の頃からお祝いの席によく使われたので、縁起のよい模様が好まれたわけです。

今回はこのくらいにして、次回は、秋草についてお話したいと思います。