踏ん張りだるま(ふんばりだるま)のすべらん箸(はし)
踏ん張りだるま(ふんばりだるま)
まーるい丸いだるまさんも、転んでばかりじゃ大変だ。
七転び八起きと言うけれど、そんなに転んでいられるか!
「ぐっ」と大地を踏ん張って、負けるな、がんばれ、踏ん張ろう!
ここ一番に、踏ん張れば、道はおのずと開けます。
踏ん張りだるまとは?
輪島漆器大雅堂・社長デザインの、手が出ただるまの図です。
この踏ん張りだるま誕生のきっかけは、去る3月の能登半島地震でした、、、。
平成19年3月の能登半島地震での被害は、甚大なものでした。
輪島塗を作る私達塗師屋にとっても被害は相当で、工房や展示場等の建物や、
製品・仕掛品・漆など、一瞬にして失われたものは数え切れません。
しかしながら、有難いことに、全国のお客様や関係各位の皆様より、多数の
御厚情あふれる励ましを賜り、「このままではいけない」「負けていられないぞ」と、
気持ちが動かされていきました。
「してもらう」だけでなく、経済的にも精神的にも自らを助け励まし、また、
被災した方々の助けにもなり、さらには様々な人たちの励ましにもなる
「何か」があればと考えついたのが、この「踏ん張りダルマ」です。
皆、今が一番大変なのです。また、日本中あらゆる所で色々な人達が頑張っています。
それを応援したい。
苦しい時、辛いとき、この「踏ん張りダルマ」を見て、「やるぞ!」と笑顔が
生まれることを、心から祈っています。
「踏ん張りダルマ」は、地震の大きな被害にも負けず、踏ん張って耐え抜く力強さを
イメージしてデザイン致しました。
地震だけではありません。私たちを取り巻く
現状は、なかなか厳しく、思うようにならないことも数限りなくあります。
誰でもそんな試練を乗り越え頑張っているはず。
「ぐっと大地を踏ん張って頑張ろう!」そんなメッセージを込めました。
「ひとは七転八起というけれど、今どきそんなに転んでいられるか!
ダルマだって手が出ます!今が踏ん張りどころ、頑張ろう!」
「ふんばりダルマ」のメッセージです。
微力ながら、踏ん張りだるまの売り上げの一部を、輪島市や輪島塗の為に、寄付させていただきたく思っています。
踏ん張りだるまのすべらん箸。
「すべらん箸」は、輪島弁で「すべらない箸」。
箸の先(食べ物をつまむ部分)が、乾漆仕上になっている、大変すべりにくい箸です。
乾漆(かんしつ)とは、漆を粉状にしたものを漆の塗り面に蒔きつけ、漆をかけ砥ぎ仕上げる技法。
ざらざらした感じの仕上がりは、通常の箸よりすべりにくく、食べ物をつまみやすくなっています。
すべらん、すべらない箸、は、縁起も良し。「すべらない」のですから、成功に通じます。
踏ん張りだるまのすべらん箸は、全5色。赤・黒・紫・緑・オレンジ。
一膳ずつを袋に入れ、踏ん張りだるまの説明を書きました。
踏ん張りだるま・すべらん箸 長さ22.5cm 1膳袋入り 1,650円(税込)(どの色でも同価格です)
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役