二段重箱 飛花沈金 209,000円(税込)
飛花沈金の題材は、植物の種子。
風に乗ってほうぼうへ運ばれ、また芽を出す飛花沈金は、子孫繁栄の吉祥模様です。
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
手で表面を触ってみてください。
細い溝になって、彫り込まれていることがわかります。
(反対に蒔絵は、筆で漆絵を描き、金を蒔きますので、表面は盛り上がっています。)
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、
しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、輪島ならではの技法です。
「重箱の隅をつつく」
細かいことを口うるさく言うことを指すようですが、このことわざはこの重箱にはあてはまりません。
この重箱の隅は丸く作ってあり、洗いやすいので、汚れが残って小言を言われる心配がありません(笑)使いやすい形です。
末永くご愛用頂きたい輪島塗の重箱は、高価です。
しかし、その製法から、キズや割れ・欠けなどの不慮の事態でも
輪島の産地で修理すれば、また末永くお使い頂けます。
使い傷や、天然漆だからこその色褪せ・やけなども、
目立つようになりましたら、何かの機会(冠婚葬祭などや法事、新築など)に、輪島へ塗り直しに出してください。
新品のように美しく蘇って、また何年も何年も、気持ちよく末永くご愛用いただけます。
輪島塗は、修理やメンテナンスを繰り返しながら、存分にお使い頂きたい、また末永くご愛用頂きたい漆器です。
重箱の内側は、鮮やかな朱塗りです。
二段重箱(6.5寸隅丸型)飛花沈金 1組209,000円(税込)
寸法:幅19.8cm 奥行19.8cm 高さ13.7cm
輪島塗の取り扱いは簡単です。
屠蘇器も重箱も、雑煮椀も、ぬるま湯で洗ってください。
油汚れは、台所用洗剤を使います。この時は柔らかいスポンジで。
つけおきも大丈夫。
輪島塗は、工程のところどころで水を使い研いでいます。
しっかり仕上がっているからこそ、水は平気なのです。
そのあと、長くしまっておくときは、さっと熱いお湯をくぐらせ水気をきって、
柔らかい布で良く拭いてください。
次のお正月まで使わない重箱は、しっかり汚れを落として、
ついでに磨きながら、艶や蒔絵を楽しんで。
そして、あまり乾燥しない場所(部屋の低い所)にしまってください。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役