飾り皿 鉄線蒔絵は、色研ぎ出しの技法で描かれた見る角度により変わる飾り皿
まるで絵画のような蒔絵の色遣いは、琳派風。
漆でこの色合いを表現するのは、大変難しく、高度な技術が必要です。
この構図や色遣いは、独特で、なかなか真似の出来るものではありません。
色研ぎ出し技法によって描かれた鉄線は、
光を受けると金色に輝き、通常は色が鮮やかに見えます。
見る角度によって表情が異なる、素晴らしい蒔絵技法を駆使しています。
作者・桜井一良は残念ながら他界され、新しく製作することができません。
鉄線(てっせん)
鉄線は、鉄のように強いつるをもつ植物という意味です。
その優美な姿が、古来より大変好まれ、桃山時代頃から小袖や能装束に描かれてきました。
唐草文様になっているものも多く、連綿と続くイメージから
吉事が終わり無く続く・子孫繁栄などを表す吉祥文様です。
この飾り皿 鉄線蒔絵は、桜井一良の蒔絵。
斬新な構図と鮮やかな色合いは、一良ならでは。
大胆な色遣いと、豪快な構図は、酒井包一の琳派(りんぱ)の画風を
蒔絵で表現する、唯一の蒔絵作家です。
取り扱いは簡単です。
飾り皿 鉄線蒔絵のお手入れは、柔らかい布で拭いてください。
水洗い・水拭きも、もちろん大丈夫です。
輪島塗が一番苦手なのは、紫外線です。
紫外線にあたり続けると、漆は変質し、劣化します。
直射日光のあたる場所には長くおかないでくださいね。
長い間仕舞われる場合は、乾燥が苦手ですので、
部屋の乾燥しにくい、低い場所に、保管してください。
しかし、どんなに気をつけていても、
長い年月ご愛用いただくうち、使い傷はどうしてもついてしまいます。
使いなじんできただけに、修理して使い続けたいものです。
そんな時は、お気軽に修理のご相談を。
傷に応じて、御見積のうえ修理致します。
本堅地の輪島塗は、丈夫な下地に塗り重ねた輪島塗だからこそ、
痛みの度合いに応じて、工程をさかのぼって修理ができます。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、
堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
飾り皿 鉄線蒔絵 直径36.5 厚4.5 cm 968,000円(税込)
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役