屠蘇器 扇面日の出波蒔絵 1,760,000円(税込)
屠蘇器(胴張型・金縁)扇面日の出波蒔絵は、
御目出度い扇に、長寿の象徴「松」と福が押し寄せてくる意の「波」を
金・銀、青貝螺鈿を用いて、豪華に蒔絵した優美な屠蘇器です。
胴張型とは
胴張型とは、縁が外へ向けてふっくらと張り出している形です。
まっすぐな形に比べて雰囲気が柔らかく、上品な印象です。
屠蘇台の縁の曲面は、ぶ厚い縁材をカンナで削り出して作られています。まっすぐな形よりも縁材が沢山必要で、手間のかかる、贅沢なつくりです。
屠蘇とは
屠蘇(とそ)とは、「邪気を屠絶し、人魂を蘇生させる」ということで、
一年中の邪気を祓い延命長寿を願うために飲む酒です。
輪島塗の屠蘇器は、屠蘇を頂くために必要なものが揃ったセットです。
美しい蒔絵が、いっそう晴れやかな迎春の時を演出し、
新しい一年の門出を幸多かれと祈念します。
蒔絵は「養老の滝」
銚子の蒔絵は、扇に「養老の滝」です。
「親孝行の長寿のお酒」にあやかってお屠蘇を召し上がってください。
◎屠蘇器の木地について
輪島塗は天然木を用いて作られる漆器です。
屠蘇器の木地は、1か所の木地屋さん(一人の職人)だけでは、出来上がりません。
銚子の本体と盃は「挽物木地」。
銚子のそそぎ口は「朴木地」。
盃台と屠蘇台は、「指物木地」、という具合に、作るものの特徴に合わせた専門の木地屋さんがいます。
それぞれの職人技が合わさって、一つの屠蘇器が出来上がります。
屠蘇器の木地は、形状が複雑なので、大変手間がかかります。
例えば「銚子」は、本体が上下二つに分けて作られ、そそぎ口、持ち手、持ち手を本体につなげる耳という部位、蓋、に分けて形造られます。
一番の留意点は、そそぎ口と本体上下二つを、しっかりくっつける事、です。
少しでも隙間があれば、お酒を入れた時に、漏れてしまい、将来的にひび割れの原因になってしまいます。
さて、「日の出」はどこに?
では、この屠蘇器の中で、「日の出」はどこにあるのでしょうか?
答えは盃。
三枚組の盃の一番上の小さな盃を、日の出に見立てて、
金を蒔いて朱金地に仕上げました。
この日の出の盃に波を描いて、浪間から現れる日の出のイメージを表現致しました。
他の盃は、「群鶴図」「群亀図」です。
美しい鶴は、吉祥模様
鶴は立ち姿・飛び姿などが大変美しい鳥で、なかでも丹頂鶴は、
おめでたい紅白が喜ばれています。
亀は、長寿の象徴
亀は甲羅に藻が生えた長寿亀を描いています。
盃台も格調高い胴張型です。
扇面(扇)は、日本で作られた日本特有のもので、末が広がる形から 「末広」 ともいい、
発展や拡大を意味する縁起のよいもの、とされ、古来より愛され続ける吉祥模様です。
扇面(扇)は、魔除けや厄除け、吉運招来など、非常に強い力をもつものとされ、
謡曲・舞踊・落語などの芸能にも使われるなど、日本の生活文化の中で、重要な位置をもしめてきました。
屠蘇器(胴張型・金縁)扇面日の出波蒔絵 1,760,000円(税込)
寸法:高さ28.7cm 幅40.8cm 奥行27.2cm
盃:大の直径11.5cm
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「輪島塗を支える職人の技と心意気」はこちら
輪島塗は、多くの工程ごとに専門の職人が腕を振るい作り上げられています。
輪島漆器大雅堂の輪島塗製作は、沢山の職人とその心意気に支えられています。
漆器みがき布、あります。
柔らかく拭きやすい、洗って何度でもお使い頂ける漆器専用布です。
大切な輪島塗のお手入れに、毎日のお掃除に、大変重宝です。
◎揃いの重箱(7寸胴張型・平台付三段重)も、ございます。
製作の様子です。ひと筆一筆、ゆっくりと時間をかけて描いていきます
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若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役