屠蘇器 松風沈金 506,000円(税込)
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
手で表面を触ってみると、金色の部分が細い溝になって、彫り込まれていることがわかります。
(反対に蒔絵は、筆で漆絵を描き、金を蒔きますので、表面は盛り上がっています。)
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、輪島ならではの技法です
松風沈金
冬、日本海から吹き付ける風は、防風林の松を根本から揺り動かします。
強風に耐える松は粘り強く、厳しい自然の中で強く生き抜く存在感を見せつけます。
日本の伝統的吉祥文様でもある松の、
その強靱な生命力を、輪島塗ならではの加飾の技・沈金の
豪快なのみさばきで美しく表現した、迫力のある文様です。
お屠蘇(おとそ)とは?
屠蘇は、もともとは薬だったそうです。
山椒・大黄・白じゅつ・桔梗・細辛・乾姜・防風などを三角の紅の帛衣に入れて、酒やみりんに浸したもの。
唐の時代に医師が流行風邪のための薬として作ったものがおいしくて評判になり定着した、と言われます。
屠蘇(とそ)とは、「邪気を屠絶し、人魂を蘇生させる」ということで、
一年中の邪気を祓い延命長寿を願うために飲む酒です。
美しい蒔絵が、いっそう晴れやかな迎春の時を演出し、新しい一年の門出を幸多かれと祈念します。
松は、常緑樹で古くから長寿のシンボルとされてきました。
それは、この松が、雨風や寒さに耐え抜く生命力の強さを持っているからです。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
曲面を多くした屠蘇台や盃台は、光がさまざまな角度から当たって、漆の艶が一層引き立ちます。
屠蘇器 松風沈金 506,000円(税込)
寸法:幅45cm 奥行30cm 高さ24cm 盃・大の直径11cm
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若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役