輪島塗 衝立鶏沈金は、二羽の仲睦まじい鶏を、美しい沈金で表現
鶏(にわとり)は、日本では「神鳥」と位置付けられ、天照大神を祭神とする
伊勢神宮では、大切に飼育されたという。
神話「天岩戸」で長鳴鳥が大事な役目を果たしたことが理由だ。
鶏は、決まって夜明けを告げて鳴く習性から、約束を守り勤勉なものの象徴でもあると
いわれます。
中国でも、鶏(にわとり)は様々な意味を持ち、「聞鶏起舞(ぶんけいきぶ)」は、鶏の鳴き声とともに起き修行に励み、技を磨けという祈願である。
日本のおとぎ話でも、鬼たちが酒宴を催しているところへ、「こけこっこー」と鶏の鳴きまねをすると
鬼は、一目散に逃げ去ってしまった、というものがあります。
夜明けを告げる鶏(にわとり)は、時を呼ぶ力がある、ともされ、魔よけ・禍を払いのける守護神でもある。
また、鶏は古来より家畜として人間の生活と深くかかわってきました。
鶏の文様には、生活に密着した親しみのあるものも、数多いのです。
沈金とは
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、輪島ならではの技法です。
輪島の家具の自慢は、見えない部分も輪島塗であることです。
足の裏側も、天板の裏側も、すべて輪島塗。ですから、どこから見ても輪島塗。
畳や絨毯にも、指にも食器にもやさしいのです。
どこにもない、最高級家具をお探しのお客様は、ぜひ一度ご覧下さい。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
輪島塗衝立 鶏草花沈金 W130 D30.3 H110 cm 定価176万円(税込)
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役