輪島塗家具・座卓 銀地葦乾漆は、落ち着いた雰囲気ながら技を堪能頂きたい逸品
輪島塗 座卓・銀地葦乾漆は、落ち着いた雰囲気ながら、
実は様々な輪島塗の技法を生かした、味のある座卓です。
イメージは、きらきら輝く川面と、岸辺の葦(あし)の影。
川の向こうに輝く太陽に照らされた水面はきらきら輝き、
手前は、風になびく葦が逆光で影となり、見える風景。
この座卓は、天板の全面に薄く銀地を施し、葦を乾漆粉で盛り上げ同じく銀を蒔いて研ぎ出した、凝った意匠の座卓です。
座卓全体を乾漆にせず、しかし質感を近く感じさせるように、塗り部分に銀地をうすく施しています。落ち着いた中にも匠の技が感じられる仕上がりの座卓です。
部分的に乾漆にして模様を描き出すというやり方は、大変おもしろいだろうと考えて、大雅堂社長がつくりだした座卓、ちょっと違った感じの輪島塗座卓、と思って頂けると思います。
また、あの有名な日本の偉人「豊臣秀吉」の馬具には、この葦(あし)が描かれていました。
この馬具の下絵は、狩野永徳が描いたもので、秀吉が永徳のような一流の画家に下絵を描かせ作らせた馬具を愛用していたそうです。
葦は、古代から親しまれてきた植物で、多くの和歌にも詠まれ、文様にも描かれてきました。
「人間は考える葦である」17世紀フランスの物理学者・哲学者のパスカルは有名です。
座卓の天板・表面は、銀を蒔いて、銀の表情を残して上塗りします。
漆は、時とともに透明化する特性があり、蒔かれた銀の感じが、次第に活かされてきます。
この手間が、水面の雰囲気を表現しています。
一方、葦の影は、乾漆の技法を用いて表現しました。
乾漆とは
乾漆とは、漆を乾かして粉にし、満遍なく蒔いて漆をかけ、研ぎ出す技法のことです。
塗面は、少しざらざらした感じに仕上がり、輪島塗の鏡面のような呂色仕上げとはひと味違った、落ち着いた漆の風合いを感じさせます。
キズが付きにくく、目立ちにくい乾漆は、大変使いやすいものです。
この乾漆の技法を用いて、葦の影を立体的に、盛り上げて表現しました。
乾漆の葦にも、仕上がりに銀を蒔き、アクセントにしています。
輪島塗の座卓の「足」について
大雅堂の座卓の足は、納品時に「足の取り付けをいかがいたしますか?」と伺います。
これは、足の付け方が2種類あるからです。
ひとつは、漆でしっかり固着させて、足が抜けないようにくっつけて納品する方法です。
漆付けすると、ちょっとやそっとでは取れないようになります。
もう一つは、グラグラしないように布をはさんで、仮止め状態で取り付ける方法です。
こうしておけば、部屋を広く使うことがあったときに、座卓の足を外して、かさばらず収納できます。
ご希望に合わせて、お選びいただいております。
輪島の家具の自慢は、見えない部分も輪島塗であることです。
足の裏側も、天板の裏側も、すべて輪島塗。ですから、どこから見ても輪島塗。
畳や絨毯にも、指にも食器にもやさしいのです。
どこにもない、最高級家具をお探しのお客様は、ぜひ一度ご覧下さい。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
取扱いは簡単です。
座卓のお手入れは、柔らかい布で拭いてください。
水拭きも、もちろん大丈夫です。
輪島塗が一番苦手なのは、紫外線です。
紫外線にあたり続けると、漆は変質し、劣化します。
直射日光のあたる場所にはおかないでくださいね。
食事やお茶の際には、陶器は苦手です。
どうか引きずらないで下さい、傷がついてしまいます。
茶卓や御膳・ランチョンマットなどを御使用頂ければ、安心ですね。
輪島塗へのちょっとした心遣いは、所作を優しく上品に見せます。
一石二鳥です。
気になるのは、お酒と熱いものです。
お酒がついてしまったら、早めに拭いてください。
シミの原因になります。
また、あまり熱いものを直接置くと、漆はだめになります。
手に触れないほど熱いものは、のせないでください。
しかし、どんなに気をつけていても、
長い年月ご愛用いただくうち、使い傷はどうしてもついてしまいます。
使いなじんできただけに、修理して使い続けたいものです。
そんな時は、お気軽に修理のご相談を。
傷に応じて、御見積のうえ修理致します。
本堅地の輪島塗は、丈夫な下地に塗り重ねた輪島塗だからこそ、
痛みの度合いに応じて、工程をさかのぼって修理ができます。
塗り直してしまうほどになった場合は、
その際に思い切ってリフォームという方法もあります。
模様を変えたり、色を変えたり、いかようにもできます。
また新たな気持ちで、お使いいただけます。
お気軽にご相談くださいませ。
輪島塗座卓 銀地・葦乾漆 W150 D90 H33 cm 1,925,000円
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役