衝立 松に鷹沈金は、勇壮な鷹の姿に見入ってしまうほどの迫力と美しさの衝立
この衝立は、迫力のある鷹が大きく沈金されている、美しい衝立です。
鷹の表情が精悍で、鋭い眼光やきりっとしたくちばしにその荒々しさが見事に表現されています。
松を落ち着いた雰囲気に仕上げ、鷹の美しさや迫力を引き立てています。
羽根の部分の細かい彫りが、大変美しい衝立です。
彫りの技術は、熟練の職人技が細部にまで行き届いた、見事な仕事ぶりがうかがい知れます。
羽根の色は、光の当たり具合や、見る角度によって、様々な表情を見せます。
衝立は、玄関や広い空間の間仕切りなどに使われる家具です。
玄関に置かれるのは、玄関を開けた時に、
家の中が丸見えになってしまわないように、という奥ゆかしさからとか、
家の中に邪気が入るのを防ぐ・止める役目をする、と言われます。
この鷹沈金の衝立の裏面は、黒塗に紅葉。
衝立の両面をそれぞれ楽しむことができるので、季節や行事に合わせて
気分に合わせて、お客様に合わせて、さまざまにお使いいただけます。
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、
のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
手で表面を触ってみてください。
細い溝になって、彫り込まれていることがわかります。
反対に蒔絵は、筆で漆絵を描き、金を蒔きますので、表面は盛り上がっています。
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、
しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、
輪島ならではの技法です。
輪島塗の漆黒に、沈金の金が映える、まさに輪島塗りらしい輪島塗りの、衝立です。
鷹は、初夢にふさわしいもの「一富士 二鷹 三茄子」にもあげられていますね。
鋭敏で精悍な鷹は、するどい爪で「運をつかむ」とされ、
精悍なまなざしは、ひとにらみで「邪気を払う」とされる吉祥模様。
武勇・尚武・神力・正義の象徴ともされる鳥です。
松は、常緑樹で古くから長寿のシンボルとされてきました。
雨風や寒さに耐え抜く生命力の強さを持っているからです。
この衝立・松に鷹沈金は、なんといっても主役の鷹を、じっくりご覧ください。
羽の細部にまでこだわって、繊細に彫りこんでいます。
やわらかく軽そうな質感も全て手作業で、のみで彫りこんでいるので、
失敗のきかない一発勝負の職人技です。
輪島の家具の自慢は、見えない部分も輪島塗であることです。
座卓の裏側も、幕板の裏側も、そして床にふれる足の底面も、すべて輪島塗。
ですから、どこから見ても輪島塗。
畳や絨毯にも、指にも食器にもやさしいのです。
しかし、どんなに気をつけていても、
長い年月ご愛用いただくうち、使い傷はどうしてもついてしまいます。
使いなじんできただけに、修理して使い続けたいものです。
そんな時は、お気軽に修理のご相談を。
傷に応じて、御見積のうえ修理致します。
本堅地の輪島塗は、丈夫な下地に塗り重ねた輪島塗だからこそ、
痛みの度合いに応じて、工程をさかのぼって修理ができます。
輪島の家具は、全工程完全手作り家具です。 職人の技が随所にきらりと光ります。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、
堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
輪島塗衝立 松に鷹 沈金 W130×H109×D30cm 1,925,000円
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役