重箱・茶托・銘々皿セット たまり朱にパルメット漆絵 814,000円(税込)
重箱に茶托と銘々皿をセットにしました。
八角の変わり型の重箱に、お料理を入れて、
取り皿で取り分けて頂く。お料理の後にお茶を差し上げる。
ケーキ皿にも。 そんな重宝しそうなセットです。
八角重箱は、お料理が洋風でも和風でも映える、
存在感のある大雅堂オリジナルの形。
使い勝手も、良く考えています。
お正月やお祝い事などに使われる重箱。
輪島塗の重箱といえば、真四角で家紋入り、というイメージでしょうか?
以前は、嫁入り道具には必ず重箱がありましたが、
昨今はご結婚される若い方が、 使わないから、と、お持ちにならないとか。
それなら、年中でも使っていただける重箱を!
若い方がぜひ使ってみたいという重箱を! と考え製作した、
大雅堂オリジナル重箱「八角重箱」は、
八角で持ちやすい隙間ありの、一段でも絵になる素敵で変わった重箱。
大雅堂オリジナルのこの八角の重箱の、工夫した点は、やはり形です。
まず、外見は八角(末広がりの八にしました)の形です。
面を生かすために、角はあまり鋭角にせず、重厚さを感じさせます。
ふたは、平面では漆の美しさがもったいないので、少し盛り上げました。
光の角度によって表情が変わります。
蓋をあけると、ここが工夫したところです。
重箱のふちが、まっすぐズバッと切っていない、素敵なカットになっています。
こうすることで、一段一段のおさまりもよく、ふたもずれなくなりました。
ささやかな工夫ですが、効果大です。
このかわった八角重箱の、もう一つの特徴は、
重箱の一段一段の間に隙間を設けたことです。
この隙間があるために、一段一段が大変持ちやすくなりました。
通常の重箱は、模様のためか、一段一段がピタッとくっついて、
どうしても持ちにくかったのではないでしょうか?
この八角重箱は、段と段の間の隙間に指をかければ、大変持ちやすく、所作も美しく優雅に見えそうですね。
また、一段づつでもお使いいただけるという特徴もあります。
普通の重箱は、模様の関係から、またこれまでの慣習から、
一段では使いにくかったと思います。
この八角重箱は、一段づつに、約9ミリの足をつけました。
これは、一段づつの間の隙間を作るためと、
一段づつ別々に使用した時のスタイルを重視して、計算した高さです。
一段づつでも重厚さを失わない、使ってみたい重箱ができました。
お弁当箱の感覚でも、お使いいただけますね。
おせち料理は、お正月三が日台所に立たないように、と作られた保存食とか。
現在のように年末年始も開いているお店もありませんでした。
では、どうして漆の重箱につめたのでしょうか?
先人はきっと、漆の抗菌効果に気づいていたのでしょう。
現在はその、漆の抗菌効果が、科学的に証明されようとしています。
先人は素晴らしい文化を残してくれたものです。
茶托や皿は、重箱とそろいのたまり朱に、黒漆でパルメット漆絵を描きました。
パルメットは、唐草文様。
シュロの葉をデザイン化した、古代の聖なる文様。
シュロは、雌雄異株でその生殖作用が人間と同様に見られ、生命の樹として吉祥のシンボルとされました。
パルメット文様の間を飛ぶ鳥は、含綬鳥(がんじゅちょう)です。
蒔絵にも良く使われる「松喰鶴」と同様に、 枝や花房などをくわえた鳥の図のことで、
鳥は楽園から飛来して幸福を運ぶ、という意を表し、
鳥がくわえて運ぶものは、幸福の象徴でありました。
(その起源は、ノアの方舟に登場するオリーブの枝をくわえた鳩ともいわれる)
「たまり朱」は、上塗りをした職人さんの、「手」のわかる、
おもしろい塗り方です。 色は、落ち着いた朱。
普通、刷毛目(はけめ)というと、でこぼこの跡が残るものですが、
この塗は表面にでこぼこがないのに、よく見ると刷毛の跡が残っているのです。
輪島塗の特徴である顔がうつりそうな鏡のような美しい輝きは、
最終工程の呂色(ろいろ)が作り出していますが、
この重箱・茶托・銘々皿は、呂色をせず、漆の素朴な温かみを残して、
しっとりとした底艶を楽しめます。
(写真では、明かりが、ぼんやり写っていますね。このぼんやりが、
より温かみを感じさせます)
年月とともに、自然と使い艶があがり、
時とともに変化していくのが、たまり朱の特徴です。
写真では、八角重箱が明るく、茶托・銘々皿が少し暗く写って見えますが、
どちらも同じ色見のたまり朱のセットになっています。
(本当に漆器の写真はむずかしく、そのままの雰囲気をご覧いただけないのが残念なんです)
ある研究者によると、同じ物を同じように調理しても、
良い器で食べれば美味しく感じるのはもちろんのこと、
消化吸収ぐんとも良い。うれしいですね。
《朱の色》古来、朱(赤やオレンジ色などの朱色)の漆は、
大変貴重で高価でありました。
朱の色は、「太陽」や「火」「血」の象徴とされ、神仏や儀式の道具にも用いられました。
人々を引きつける、たいへん尊ばれた色です。
朱の色は、元気が出る色ともいわれますね。
どんなに気をつけていても、長い年月ご愛用いただくうち、
使い傷はどうしてもついてしまいます。
使いなじんできただけに、修理して使い続けたいものです。
そんな時は、お気軽に修理のご相談を。
傷に応じて、御見積のうえ修理致します。
本堅地の輪島塗は、丈夫な下地に塗り重ねた輪島塗だからこそ、
痛みの度合いに応じて、工程をさかのぼって修理ができます。
八角重箱 幅30.3 奥行16.3 高さ21 cm 一段の高さ7cm
銘々皿 直径15 高さ2.6 cm
茶 托 直径13.7 高さ2.3 cm
たまり朱にパルメット漆絵セット(八角重+銘々皿5+茶托5)は、
1組814,000円(税込)
この八角重箱・茶托・銘々皿のセット たまり朱にパルメット漆絵は、
大雅堂展示場にて、ぜひ実物をご覧ください。
大雅堂展示場は、輪島市街地より少し離れています。
立地条件から、観光のお客様にはあまりご縁がなく、
ご予約頂きました日時にのみ、鍵を開けてご覧頂いております。
当日の御予約も承ります。(担当者不在の際にはご容赦くださいませ。)
どうぞお気軽にご予約くださいませ。
心よりお待ち申し上げております。
電話 0768-22-0184
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、
堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役