座卓・乾漆に廻りかすみ蒔絵は、使いやすい乾漆の座卓に金の彩りを添えた座卓
乾漆(かんしつ)とは
乾漆とは、漆を乾かして粉にし、満遍なく蒔いて漆をかけ、
研ぎ出す技法のことです。
塗面は、少しざらざらした感じに仕上がり、
輪島塗の、鏡面のような呂色仕上げとはひと味違った、
落ち着いた漆の風合いを感じさせます。
輪島塗の座卓は、傷がつくのが怖くて使えない、
高価な家具ですから、なおさらそう思ってしまいますね。
この座卓の特徴は、日常でもっとも良く使われる、
座卓の天板を乾漆仕上げにしたことです。
椀やコップ、お膳、お茶やお菓子などを置く場所ですので、
傷が付きにくく、目立ちにくい乾漆仕上げにして、
気軽にお使い頂ける座卓に致しました。
乾漆の座卓に、彩りを添えるよう
切金梨子地ぼかしを施しました。
切金(きりがね)は、金の板金を細かな四角に切りだしたものです。
梨子地や切金をふんだんに使って霞の雰囲気を表現し、
塗りこんで研ぎ出してありますので、
艶やかで光沢があり、上品な華やぎを加味しています。
この座敷机の大きさは、5尺(150cm)×3尺(90cm)の座卓で、
8から12畳間にちょうど良い大きさ、です。
座卓の大きさは、お部屋に合わせてお誂え致します。
長方形だけでなく、丸や正方形の座卓もできます。
座卓・乾漆に廻り切金梨子地ぼかし
寸法 幅150 奥行き90 高さ33cm
この座卓・乾漆に廻り切金梨子地ぼかしは、
1台1,650,000円(税込み)
輪島塗の座卓の「足」について
大雅堂の座卓の足は、納品時に「足の取り付けをいかがいたしますか?」と伺います。
これは、足の付け方が2種類あるからです。
ひとつは、漆でしっかり固着させて、足が抜けないようにくっつけて納品する方法です。
漆付けすると、ちょっとやそっとでは取れないようになります。
もう一つは、グラグラしないように布をはさんで、仮止め状態で取り付ける方法です。
こうしておけば、部屋を広く使うことがあったときに、座卓の足を外して、かさばらず収納できます。
ご希望に合わせて、お選びいただいております。
輪島の家具の自慢は、見えない部分も輪島塗であることです。
座卓の裏側も、幕板の裏側も、そして床にふれる足の底面も、すべて輪島塗。
ですから、どこから見ても輪島塗。
畳や絨毯にも、指にも食器にもやさしいのです。
しかし、どんなに気をつけていても、
長い年月ご愛用いただくうち、使い傷はどうしてもついてしまいます。
使いなじんできただけに、修理して使い続けたいものです。
そんな時は、お気軽に修理のご相談を。
傷に応じて、御見積のうえ修理致します。
本堅地の輪島塗は、丈夫な下地に塗り重ねた輪島塗だからこそ、
痛みの度合いに応じて、工程をさかのぼって修理ができます。
塗り直してしまうほどになった場合は、
その際に思い切ってリフォームという方法もあります。
模様を変えたり、色を変えたり、いかようにもできます。
また新たな気持ちで、お使いいただけます。
お気軽にご相談くださいませ。
座卓の天板は合板です。
天板は「シナ材」の合板を使用しています。
「座卓の天板は、1枚板を使わないのですか?」と聞かれることがあります。
木は、加工してもやはり生きています。
1枚板を使用すると、乾燥や湿度の関係から、反りや割れが起こることがあります。
輪島塗の長い作業工程や、末永いご使用期間を考えて、
反りや割れ、ひずみに強いよう工夫した合板を使用しているのです。
どうぞ末永くご愛用くださいませ。
輪島の家具は、全工程完全手作り家具です。
職人の技が随所にきらりと光ります。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、
堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役