オーダー輪島塗名刺入れ・龍沈金 職人の技が光る逸品
オーダー輪島塗り名刺入れ、次々に新しい模様を手がけさせていただいております。
有難うございます。
輪島塗名刺入れは、名刺大の小さなキャンバスに、お客様のご希望の図案を、
蒔絵や沈金で美しく表現します。この龍沈金は、なかでも大作となりました。
図案の細部まで、一彫り一彫り美しい線が刻まれています。
輪島塗名刺入れ「龍沈金」
龍(りゅう)は、想像上の動物。
仏教で龍は、仏伝の守護神であり、鳳凰(ほうおう)・麒麟(きりん)・
亀(かめ)と並び、四瑞(しずい)と呼ばれ、古くから絵画や彫刻などの題材として多用されています。
また、龍は天子の象徴とされ、帝王の衣装には「龍文様」が、描かれました。
「鯉が滝を登って龍になる」という言い伝えもあります。
勇壮で迫力のある「龍(りゅう)」は、霊獣であり、仏法の守り神とも言われる「龍(りゅう)」は、自然をあやつる力さえ持つといわれます。
また、その計り知れない霊力は、強大で、姿は雄大であり、古来より人々の憧れをあつめ続けています。
富貴繁栄 立身出世 帝王 尊貴 幸福 強運、そんな思いを込め、古来より変わらぬ人気を誇るのが、「龍」文様です。
この輪島塗り名刺入れ「龍」沈金は、名刺入れの全体を目一杯使って、迫力ある名刺入れとなりました。
表・裏だけでなく、側面にもぐるりと、龍の勇壮な雰囲気を生かし、彫りめぐらしてあります。
沈金とは、輪島特有の加飾の技。
沈金(ちんきん)とは、輪島ならではの加飾の技で、のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、輪島ならではの技法です。
この大雅堂の輪島塗名刺入れは、素材は木製ではなく、乾漆づくりに致しました。
珍しい輪島塗名刺入れです。
出来るだけ薄く、軽く作りたいために、木製では強度が弱くなり割れてしまうからです。
簡単にいうと、木地を使わず漆の塗面だけを使って作った名刺入れ、です。
また、この大雅堂の輪島塗名刺入れは、形にもこだわりがあります。
名刺入れ外観は、四角四面でなく、少しふっくらと外に張りだすように作ってあります。
柔らかい曲面は、漆の美しさを際だたせます。
名刺入れ 龍沈金 桐箱入り 定価44万円(税込)
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役