座卓 花菖蒲蒔絵 1,760,000円(税込)
この座卓の天板に、のびやかに描かれた花菖蒲蒔絵は、茶道具に作品が多い鈴谷鉄五郎の大物家具の作品です。
棗(なつめ)の蒔絵のように、大変緻密で丁寧な細かい仕事が随所にみられる、鉄五郎らしい力作です。
色や形がメリハリがきいていて、持ち味のきりっとした凛々しい蒔絵が、大変素晴らしい座敷机です。
この座卓の花菖蒲のはなびらは、一枚一枚が色を数色使い、ぼかし込んであります。
研ぎ出しの技法を駆使して描いているので、見る角度によって表情が変わり大変美しい蒔絵です。
鉄五郎の仕事の、大変上品で繊細な感じのする仕上がりは、他に類がなく、輪島の蒔絵の第一人者であろうと思われます。
蒔絵一筋のその姿勢は、名人と呼ばれる今日でもさらに試行錯誤を重ねる探求心を持ち続け、作品にまっすぐ現れています。
菖蒲(しょうぶ)は、勝負(しょうぶ)に通じ、厄よけ・魔除けの意味を持つ運気上昇の吉祥模様です。
菖蒲(しょうぶ)
端午の節句は別名「菖蒲の節句」ともいわれ、菖蒲との関わりが大変に深い。かつて5月5日には家の軒には菖蒲を刺し菖蒲かずらと呼ぶ兜をつくり、菖蒲酒を飲み、子供達は菖蒲打ちをして遊び、夜には菖蒲湯につかり、枕の下に菖蒲を敷いて寝るといった、まさしく菖蒲三昧の日を送った。
端午の節句が比類のないほどの忌み日で「尚武」や「勝負」にも通じる菖蒲は、鋭い剣を思わせる葉の形と強い芳香が、邪気を祓うのに威力を発揮するものといわれているからだ。
菖蒲が邪気を祓うとされる理由に、こんな言い伝えがある。
昔、中国の平舒王が家臣の不忠義を責めて殺した。家臣の魂は毒蛇になり災いをもたらした。そこで王は毒蛇に見立てた菖蒲を割いて酒に入れて飲み、邪魔の術を会得、毒蛇を退治した。
菖蒲は、薬草としても知られていて、古くは腹痛や虫下しに、また打ち身の治療にも使われてきた。
菖蒲湯に入れば、夏ばてしない、虫に刺されない、火災にあわない、などと言い慣わされてきた。
吉祥の願いをこめた、花菖蒲蒔絵の座卓は、最高級の座卓です。
輪島塗 座卓 花菖蒲蒔絵 寸法 W1510 D900 H335 mm 1,760,000円(税込)
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役