輪島塗 座卓・寿松沈金は、のみで彫った美しい線が、幾重にも重なり松を表現する
輪島塗・座卓 寿松沈金(ことぶきまつちんきん)は、寿ぎの華やかな雰囲気を、
扇を連想させる松葉を重ねることにより表現した、美しい座卓です。
重ねることは、「度重なる」につながり、寿ぎが重なるの意を表現しています。
輪島ならではの加飾の技・沈金の、のみで彫った繊細な線が、互いに交差するのは、
輪島の高度な技術力のあらわれ。
沈金とは、輪島ならではの加飾の技で、のみで漆の塗面を彫り込み、金銀の箔や粉を埋める技法です。
手で表面を触ってみてください。
細い溝になって、彫り込まれていることがわかります。
反対に蒔絵は、筆で漆絵を描き、金を蒔きますので、表面は盛り上がっています。
この沈金は、漆の塗厚が十分でなければ深彫りできず生かされません。
漆の肌に刃先で彫り込んだ繊細な線画で、自在な加飾ができる沈金は、しっかりした下地にささえられた厚みのある上塗りの、輪島ならではの技法です。
寿松沈金は、末広がりの金の松の図で、金色の松葉は、美しく繊細に彫られています。
沈金の技が映える、吉祥模様です。
松は、常緑樹で古くから長寿のシンボルとされてきました。
それは、この松が、雨風や寒さに耐え抜く生命力の強さを持っているからです。
輪島塗の漆黒に、沈金の金が映える、まさに輪島塗りらしい輪島塗りの、座卓です。
輪島の家具の自慢は、見えない部分も輪島塗であることです。
棚の裏側も、天板の裏側も、引出の内側や底も、そして床にふれる棚の底面も、すべて輪島塗。
ですから、どこから見ても輪島塗。
畳や絨毯にも、指にも花器にもやさしいのです。
輪島の家具は、全工程完全手作り家具です。職人の技が随所にきらりと光ります。
輪島塗は、約600年の歴史を持つ、JAPANとも呼ばれる漆器の最高峰です。
その工程は、23工程・124以上の手数を経て作り出され、堅牢さと優美さを兼ね備えた日本の誇る伝統工芸です。
600年の歴史は、脈々と今日に受け継がれ、数多くの職人達の腕に宿っています。
輪島塗の座卓の「足」について
大雅堂の座卓の足は、納品時に「足の取り付けをいかがいたしますか?」と伺います。
これは、足の付け方が2種類あるからです。
ひとつは、漆でしっかり固着させて、足が抜けないようにくっつけて納品する方法です。
漆付けすると、ちょっとやそっとでは取れないようになります。
もう一つは、グラグラしないように布をはさんで、仮止め状態で取り付ける方法です。
こうしておけば、部屋を広く使うことがあったときに、座卓の足を外して、かさばらず収納できます。
ご希望に合わせて、お選びいただいております。
輪島塗座卓 寿松沈金 150×90×H33cm 定価110万円(税込)
沈金は、東 恒博(ひがしつねひろ)作。 略歴はこちらでご紹介しています。
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役