飾り棚 山水蒔絵 7,920,000円
幅111×高さ116×奥行39.7cm
研ぎ出し蒔絵を背景に、平蒔絵・高蒔絵・青貝など沢山の
蒔絵の技法を駆使して描かれた山水蒔絵の豪華な飾り棚です。
上の引き戸の蒔絵は、研ぎ出し蒔絵。
金を蒔いたり、山を描いたりしたあと、漆を塗りこんで、研いで模様を出します。
棚の塗面と同じく、平らに仕上がっています。
小さく見える木々のみ、上から描いていますので、触ると木々だけ盛り上がっていることがわかります。
背面の遠い風景は、研ぎ出し蒔絵。大きな松と手前の岩は、モリモリとした高蒔絵です。
研ぎ出し蒔絵で、遠くの風景を表現し、上から平蒔絵・高蒔絵で近景を描いて
遠近感や立体感を表現しています。
岩は、金に切金を貼っています。
梨子地(なしじ)の技法は、金を蒔いて漆を塗り、研ぎ出す技法です。
金の細かな箔が、あっちを向いたりこっちを向いたりしているので、きらきら輝きます。
果物の梨の表面に似た雰囲気であることから、梨子地といわれます。
大きな飾棚ですが、細部にまで細かく手の込んだ蒔絵が描かれています。
この飾棚・山水沈金につきまして、ご不明な点がございましたら
どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。

若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役