屠蘇器の形は色々です
輪島塗の屠蘇器の形・仕様はお客様のお好みに合わせて色々あります。
三つ組みの屠蘇器とは
写真は、三つ組みの屠蘇器です。三つ組みとは、盃・盃台と銚子とそれらをのせる屠蘇台の三つ組みのセットということです。
(盃台が無いものもございます。)
胴張型(どうばりがた)とは
1.2.3の屠蘇器は、胴張型です。
胴張型とは、縁が外へ向けてふっくらと張り出している形です。
屠蘇器を真上から見た写真で比べて下さい。
まっすぐな形(4の屠蘇器は直型でまっすぐです)に比べて雰囲気が柔らかく、より上品な印象です。
屠蘇台の縁の曲面は、ぶ厚い縁材をカンナで削り出して作られています。まっすぐな形よりも縁材が沢山必要で、手間のかかる、贅沢なつくりです。
金縁(きんぶち)蒔絵が豪華です
1と2の屠蘇器は、金蒔絵にて金縁を施しています。金の使用量が多く、大変豪華な仕様です。
蒔絵です(漆で描いて金を蒔き、磨いて仕上げる)ので、金箔とは違い、触ったり洗ったりで簡単に剥がれてしまう心配はありません。
盃の寸法もそれぞれです。
盃の寸法は、それぞれ違います。
盃台や他の部品とのバランスがいいと思う寸法の盃がついています。
これは好き好きで、特に決まりはなく、蒔絵の分量や、他の部品との兼ね合いを考えてつけています。
ほんのすこーし寸法が違うものは、手作りだからという所もあります。
また、同じように見える朱の色も、実はそれぞれ違います。
朱の色は、塗る時の気温や湿度により色が違ってきます。
もともと赤っぽい朱や、オレンジ色に近い朱もあります。
写真では見えにくいですが、4の盃は、他に比べると赤っぽい朱(重箱の内側のような)です。
1.日の出山水蒔絵の盃の寸法
大:直径11.6cm 高さ4.3cm
中:直径10cm 高さ3.6cm
小:直径8.3cm 高さ3.2cm
2.州浜蒔絵の盃の寸法
大:直径11.6cm 高さ4.3cm
中:直径10.2cm 高さ3.6cm
小:直径8.3cm 高さ3.2cm
3.松竹梅蒔絵の盃の寸法
大:直径12.1cm 高さ3.8cm
中:直径10.3cm 高さ3.4cm
小:直径8.6cm 高さ2.6cm
4.州浜雅蒔絵の盃の寸法
大:直径11cm 高さ3.7cm
中:直径9.2cm 高さ3.3cm
小:直径7.7cm 高さ2.6cm
銚子の形や大きさも色々です。
1と2の屠蘇器の銚子は、コロンと丸い形、3の屠蘇器の銚子はそれを上から押したような、もう少し広くて高さが低い形。4の屠蘇器の銚子は、コロンと丸くて、少し小ぶりな形です。
屠蘇台の正面にも豪華な蒔絵が描かれています
2の屠蘇器の屠蘇台には、足の部分にも蒔絵が描かれていますので、見栄えは格段に素晴らしいです。
蒔絵の分量が多いのは、手間と時間がかかり、金の分量も多いので、一層高級です。
家紋入れ・名入れも承ります
代々受け継がれる輪島塗の屠蘇器は、家紋入れや名入れが出来ます。
家紋蒔絵は、高蒔絵か平蒔絵科により、また大きさにより蒔絵代金が変わります。
どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。
屠蘇器は、それぞれ個別の商品ページにてご紹介しています。
1.日の出松に山水蒔絵 1,540,000円 (ページ準備中)
若島基京雄(わかしまきみお)
全国を行商して歩いた祖父・父は、旅先で大変可愛がって頂き、現在でも祖父・父を知るお得意さまが多数ございます。
祖父・父は、「物がなくても売る」達人 営業マンでした。
お客様の前で輪島塗の器の仕上がりのイメージを、すらすらと絵に描いて見せ、仕上がった見本が無くても注文を取りました。器の形や色、蒔 絵・沈金の模様まで、その場で細かくうち合わせができ、仕上がった品は、大変お喜び頂いたそうです。
私もそうなりたいと、自己流ながら勉強し、輪島の技法の全てを頭にたたき込み、
お客様の求める物のイメージを形にしたい、と思っています。
現在は、器物の 形から、蒔絵・沈金の図案までお客様のご要望に合わせ、
自分で作図して制作にあたります。
頭の中で見える仕上がりの姿を、木地師から蒔絵・沈金師に細かく 指定し、
喜ばれる、そして末永く愛して頂ける輪島塗を生み出していきたいと考えております。
輪島漆器商工業協同組合 組合員
石川県輪島漆芸美術館 友の会 事務局長
合気道 奥能登合氣会 会長
輪島漆器大雅堂株式会社 代表取締役