2020/08/06 (木)
一般的な座卓・座敷机の大きさは、幅150cm奥行き90cm高さ35cm前後、5尺×3尺と呼ぶ寸法です。
この座卓の大きさですと、飾り棚などのある場合は8畳間に、無い場合は6畳間にちょうど良いサイズです。
さて、この度は、おおおおおおーーきな座卓が塗りあがりました。
正確には、足を長くして会議机としてお使いいただくために制作いたしました。ダイニングテーブルといった感じですね。
その天板の大きさは、幅355cm 奥行き120cm 厚みが7cmと、通常のお宅では入る部屋がないでしょ、という立派な大きさです。
トラックで運んできて、倉庫にやっとおろしました。
写真で、大きな座卓の天板の右上に移っているのは、幅150cmの猫足の立派な座卓ですが、小さく見えますね。
この大きな座卓の天板の、塗りの仕様は、しろがね錫石目 です。
石目(いしめ)とは、輪島塗の技法の一つで、
見た感じとしては庭園の「石畳のよう」な、仕上がりのことです。
漆の塗り面に乾漆粉(漆を乾かして粉にしたもの)を蒔くと、表面張力が働き、所々に粉が集まるんです。
その小さな、偶然に生み出される集まりを活かして漆を重ね高低差を出して固着させ、平らに研いで仕上げる技法です。
塗面は、少しざらざらした感じに仕上がり、傷がつきにくく目立ちにくい、とても使いやすい輪島塗になります。
石目仕上げの表面は、通常よく見る輪島塗の、まるで鏡面のような呂色仕上げとはひと味違った、落ち着いた漆の風合いを感じさせます。
この石目の技法に錫を使用して仕上げた大雅堂オリジナルのしろがね錫石目は、漆黒と銀色の対比がモダンで美しい、新しくもある輪島塗なんです。
今月中にはお客様にお届けの予定です。
お喜びいただいて、末永くご愛用いただけますように。